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  19年四月選句と鑑賞文
Date: 2019-04-05 (Fri)
19年(平成31年)句写美四月句会
1:春の山芭蕉と曽良の姿見ゆ:梶 鴻風:○花・明・千・清:5
2:住継ぎし古民家囲む春の山:須藤 花恵:○紀・弘・利・花:5
3:春の野へまなざし遠く百済仏:林 江梅:・純・千・ト・花・恵:5
4:良縁を求め春野に集ふ会:片山 明俊:・利:1
5:春の山樹間に響く雉の声:太田 紀子:・江:1
6:頂きに手合わす嫗春の山:佐藤トシエ:鴻・清・紀:3
7:春の山生きるものみな光あり:宮脇 花菜:・純・恵・紀・富:4
8:春の山ボンネットバスがたごとと:岩渕 純子:富:1
9:独り身の終活ノート春の山:谷口 千枝:・美・清・2
10:春の野を歩けど未だ花もなし:山口 沙智:0
11:先導の犬に負けじと春の山:石破 利久:・明・江・富:3
12:二人して漕ぎし自転車春の山:持田 清月:・ト:1
13:ふるさとは四方八方春の山:池窪 弘務:・純・花:2
14:北大地眠り足りない春の山:佐川 富子:・明・恵:2
15:春の山生気みなぎる小路行く:斜木 美秋:・千・江:2

16:どくだみを煎じ生薬春の朝:梶  鴻風:・純・江:2
17:生活の一部となりし春の耕:須藤 花恵:弘・千:2
18:余生なほ杖を力に初ざくら:林 江梅:○清・鴻・弘・ト・沙・恵・紀:8作三
19:祖父贈るランドセル負ふ一年生:片山 明俊:利・美・花・沙:4
20:風薫る生まれし赤子の蒙古斑:太田 紀子:○利・弘・ト・富:5
21:生産者のハウスに児らや春苺:佐藤トシエ:・美・江:2
22:生かされてイランカラプテ北の春:宮脇 花菜:鴻:1
23:さくらさくらだれにでもある誕生日:岩渕 純子:○富・利:3
24:生きかたは貴方任せよ山笑ふ:谷口 千枝:0
25:「令和」てふ世を生きて行く孫の春:山口 沙智:○弘○鴻・明・美・ト・恵:8作三
26:生きてこそ今年も会へる桜かな:石破 利久:○明○純○美・紀・沙:8作三
27:目の游ぐ新入生や花筏:持田 清月:・千:1
28:過去未来間に生くるヒヤシンス:池窪 弘務:0
29:長生きは幸せであれ蕗の薹(父へ):佐川 富子:・清・沙:2
30:新玉葱生が甘しとサラダとす:斜木 美秋:・沙:1


31:楤の芽を爪立ちて摘む朝の風:梶 鴻風:○江・利・ト・花:5
32:山畑の地軸もたげし蕗の薹:須藤 花恵:○鴻・明・千・花:5
33:草庵へ小流れのあり蕗のたう:林 江梅:・純・紀:2
34:春野菜持ち込む農家朝の市:片山 明俊:○ト・鴻・美・江:5
35:木の間から海の見えたり蕨山:太田 紀子:0
36:俎板にやわらかき音春キャベツ:佐藤トシエ:・明・紀:2
37:初恋の思ひ出遠し蕗の薹:宮脇 花菜:0
38:独活酢味噌地酒一献至福の夜:岩渕 純子:○沙・弘・明・美・ト・恵・江・富:9作二
39:春野菜天こ盛りなりサラダバー:谷口 千枝:鴻・沙:2
40:蕗わらび探し山道辿り行く:山口 沙智:・美:1
41:芹香る厨に猫を叱る声:石破 利久:・純・千・清・花・富:5
42:風光る天麩羅となる山野草:持田 清月:0
43:極上のロールキャベツは春キャベツ:池窪 弘務:0
44:春きやべつ刻むリズムはアレグレット:佐川 富子:鴻・紀:2
45:山菜の彩添ふる夕餉かな:斜木 美秋:鴻・弘:2

46:境内の奥の暗がり残り雪:梶 鴻風:・明・清・恵・江:4計16・総三席
47:久方に指折かぞえ 春を詠む: 須藤 花恵:・純・沙:2計14総次席
48:川岸に岩の椅子あり風薫る:林 江梅:・利:1計16
49:球春や球児の熱闘甲子園:片山 明俊:・利・ト・恵:3計13
50:鈴千個打ちふる形花馬酔木:太田 紀子:鴻・純・富:3計9
51:春の夢富士山頂に立つてをり:佐藤トシエ:弘・清・花:3計10
52:平成を遺跡と為して春没日:宮脇 花菜:・千:1計6
53:平成の余韻溶けゆく春霞:岩渕 純子:鴻・美・沙・恵・紀・富:6計19・総二
54:古里はダム湖の底に花筏:谷口 千枝:弘・利・清・花:4計8
55:乾門通る数多の花見客:山口 沙智:0計9
56:廃線の久しき土手に土筆摘む:石破 利久:○恵・鴻・弘・明・純・千・美・清・沙・江・紀:12計28・・総一席・作一席
57:令和なる新元号や花の昼:持田 清月:○千・鴻:3計5
58:つくしんぼ肩をよせ合ふ家族かな:池窪 弘務:鴻・富:2計6
59:令和へと平和継ぎ行き桜咲く:佐川 富子:利・ト:2計8
60:花冷に飲み物弁当震えつつ:斜木 美秋:0計5


2019年(令和元年)四月句会 作品・選句到着順
池窪 弘務選
特 選:25:「令和」てふ世を生きて行く孫の春
鑑 賞:「令和」という時代を孫達は生きていきます。その世は戦争のない時代で
あって欲しい。春であって欲しいと思います。改元と孫を結びつけた素晴らしい俳句
だと思います。
並 選:2.17.18.20.38.45.51.54.56

石破 利久選
特 選:20:風薫る生れし赤子の蒙古斑
鑑 賞:おむつ交換している赤ちゃんのお尻に見つけた青アザ・・やっぱりこの子にも蒙古斑があったよと思わず笑みがこぼれたのであろうか。風薫るの季語に爽やかな幸せを感じる句である。
並 選:2、4、19、23、31、48、49、54、59

片山 明俊選
特 選:26:生きてこそ今年も会へる桜かな
鑑 賞:毎年花見の頃必ず訪れるさる神社の見事な桜の老樹があります。昭和一桁に生れ平成を生き抜き更に令和時代を迎える私・・この桜も同年輩かも・・来年も必ず会いに来るぞと約束している私の思ひをこの句は活写してくれてをり頂きました。
並 選:1:11、14、25、32。36、38、46、56

太田 紀子選
特 選:2:住継ぎし古民家囲む春の山
鑑 賞:代々住み継いできた山間部の古い家にも、春がやってきたことが分かります。長閑な、山間部の山の風景が目に浮かびます。
並 選:6、7、18、26、33、36、44、53、56

岩渕 純子選:
特 撰:26:生きてこそ今年も会える桜かな
鑑 賞:桜を見るたびに、来年も会えるのかな、と、おもいます。この句に会って、来年も元気で桜に会おう、とポジティブに考えることができました。ありがとう!
並 選:3,7,13,16,33,41,47,50,56

佐川 富子選
特 選:23:さくらさくらだれにでもある誕生日
鑑 賞:誰にでもある物とない物があります。ほんとに誕生日は全ての人が持っていますね。誰にも祝ってもらえなくても自分だけは祝いたいものですね。「生」というお題にピッタリの句だと思いました。ひらがなが、強く主張せず優しい自然な感じにしていると思います。
並 選:7.8.11.20.38.41.50.53.58

谷口 千枝選
特 選:57:令和なる新元号や春の昼
鑑 賞:4月1日は新元号の発表の日でした。世界中の人が注目していたようです。新元号は「令和」、発表の時は「春の昼」と詠まれたことに共鳴しました。私は、旅先のレストランで桜東風を見ながら知りました。
並 選:1・3・15・17・27・32・41・52・56

斜木 美秋選
特 選:26:生きてこそ今年も会へる桜かな
鑑 賞:素直な一句と思います。毎年持ち焦がれる、さくらに今年も見る事が出来た。生きる楽しみを実感します。
並 選:9.19.21.25.34.38.40.53.56

持田 清月選
特 選:18:余生なほ杖を力に初ざくら
鑑 賞:力の漲る俳句で良いと思いました。今年は、うちの父も何回も花見が出来ると入って杖を片手に喜んでいます。去年の秋頃から父も杖を使うようになってきましたが、杖をついている方が、安心して見ていられます。
並 選:1:6:9:29:41:46:51:54:56

佐藤トシエ選
特 選:34:春野菜持ち込む農家朝の市
鑑 賞:朝市を体験する事は中々できませんが、早くから野菜を運んで来る農家さんの生き生きした顔、様子が見えます。何よりも生産者さんの顔が見え、会話できる買い物は、消費者にとっても嬉しい事ですね。運んだ野菜が完売する事を願っています。
並  選:3・12・18・20・25・31・38・49・59

林  江梅選
特 選:31:楤の芽を爪立ちて摘む朝の風:
鑑 賞:高く伸びた木に芽吹いた楤の芽を背伸びし乍ら摘む光景が浮かびま-- す。作者は「爪立ち」まで良く観察しているお方と思いました、手元は見ていてゐても足元までは気が付かないと思いましÞが、それとも作者が楤の芽を摘んでいたのか?そんなこと考えながら佳い句で頂きました。
並 選:5・11・15・16・21・34・38・46・56

宮脇 花菜選
特 選:1:春の山芭蕉と曽良の姿見ゆ
鑑 賞:春の山という季語から、芭蕉さん曽良さんを連想することはなかなか難しいことです。旅への思いは春ならではのものなのですね。奥の細道を旅したくなりました。
並 選:2・3・13・19・31・32・41・51・54

山口 沙智選
特 選:38:独活酢味噌地酒一献至福の夜:
鑑 賞:香りもご馳走のうちの酢味噌和えをつつきながら、地酒をかたむけるとはなんと素敵な一夜でしょう。一緒に飲むお相手が奥様や恋人だったらなおさらのことですね。奥様や恋人ではないわたしもその咳にご一緒したいです。
並 選:18.19.26.29,30,39,47,53,56

須藤 花惠選
特 選:56:廃線の久しき土手に土筆摘む
鑑 賞:北海道の廃線でしょうか、さびれた地に春の息吹の土筆が顔を出して、いる。
感慨深く活躍していたころを想い土筆摘みしてる作者の景が見えてくる。
佳い句といただきました。
並 選:3・7・14・18・25・38・46・49・53

総合成績:
一 席:石破 利久:28
二 席:岩渕 純子:19
二 席:梶  鴻風:16

梶  鴻風選
1:春の山芭蕉と曽良の姿見ゆ:梶  鴻風:
 岐阜県大垣市に「芭蕉記念館」がある。「奥の細道むすびの地」を記念してのものだが、ここの前庭に、芭蕉と曽良の旅姿の銅像がある。その二人の旅姿をふと思い出した。

6:頂きに手合わす嫗春の山:佐藤トシエ:○
 この「頂」とは利尻山であろう。鴻は祖祖母を思い出す。天に手を合わせ、「お天道様のおかげがありゃこそ。」山を向き「利尻のお山がありゃこそ」と四方拝をしていた。

18:余生なほ杖を力に初ざくら:林  江梅:○
 江梅さんと久しぶりで電話でお話をした。お友達とそのお嬢さんと3人で恵庭にこられてから、何年経つだろう。お元気だったのに「杖を力」になられたかと思っていた。

22:生かされてイランカラプテ北の春:宮脇 花菜:○
 アイヌ語のあいさつ「イランカラプテ」(「こんにちは」の意)を北海道のおもてなしのキーワードとして普及させようとしている。日本の先住民として確率させたいと思う。

25:「令和」てふ世を生きて行く孫の春:山口 沙智:特選
 沙智さんは80歳を越えても車で飛んで歩いている。二人のお孫さんが大學に入学したが、ご両親が共働きなので、何から何まで沙智さんがしている。よく働く人である。今年に入ってからお孫さんと沖縄にも行ってこられた。

32:山畑の地軸もたげし蕗の董:須藤 花恵:○特選
 花惠さんは句写美の100号まで在籍された方で、いまはFacebookでのお友達である。今回句会のお誘いに快く投句くださった。裏山に作られている畑に春が訪れ蕗の薹が顔を出し地軸を擡げている。特選に十分値する句だ。

34:春野菜持ち込む農家朝の市:片山 明俊:○
 近郷近在で作られた春の野菜や、山で手折った蕗や蕨やコゴミ、タラの芽などが朝市や路傍で売られるのだ、鴻は中国の吉林の何処までも続く朝市を思い出す。

39:春野菜天こ盛りなりサラダバー:谷口 千枝:○
 千枝さんはお嬢さんとお二人暮らしだ。それなのに「天こ盛り」にはくすりと笑いをさそうものがある。お二人ともベジタリアンなのであろう。健康であって欲しい。
44:春きやべつ刻むリズムはアレグレット:佐川 富子:○
 とんかつに添えるキャベツであろうか。キャベツもカタカナ書きすると3つになるので苦肉の策での平仮名書きだろう。アレグロよりやや遅いのがallegrettoだ。好い句だ。

45:山菜の彩添ふる夕餉かな:斜木 美秋:○
 奥様と二人で山菜を採りに行って来たのであろう。九州なら、蕗に蕨にゼンマイに何でもありそうに思えてならない。北海道は4月に入っても雪が降っている。

50:鈴千個打ちふる形花馬酔木:太田 紀子:○
Facebookで何方かが馬酔木の花を貼っていた。鈴蘭の花を木に吊した様は「鈴千個」どころか数え切れない。あの花々が鈴であったならばどんな音がするだろう。

53:平成の余韻溶けゆく春霞:岩渕 純子:○
 連句「大寒の巻」にも此の句が投句された。此処にも投句されたのはうっかりしたものであろう。こちらの方が早く投句されていたように思う。だがやはりいけない。

56:廃線の久しき土手に土筆摘む:石破 利久:○
 3月31日で北海道の夕張線が廃線となった。昔は石炭を運ぶための石炭列車として2〜30両繋いで走っていた。廃線となった土手で土筆を摘む利久さんを思う。

57:令和なる新元号や花の昼:持田 清月:○
 新元号が「令和」と決まった。馴染むまでに30年掛かると言った若者がいた。昭和・平成・令和と三代生きる。次の元号は見られない。日本には櫻が好く似合う。

58:つくしんぼ肩をよせ合ふ家族かな:池窪 弘務:○
 「土筆誰の子杉菜の子」と覚えた。そんな「かるた」があったからだ。一番背の高いのがお父さん、次がお母さん、次がお兄ちゃん〜。みんな肩を寄せ合って生きている。

作品成績
一 席:56:廃線の久しき土手に土筆摘む:石破 利久:12点(特1並10
二 席:38:独活酢味噌地酒一献至福の夜:岩渕 純子:9点(特1並7)
三 席:8:余生なほ杖を力に初ざくら:林 江梅:8点(特1並6)
三 席:25:「令和」てふ世を生きて行く孫の春:山口 沙智:8点(特2並4)
三 席:26:生きてこそ今年も会へる桜かな:石破 利久:8点(特3並2)


  19年四月句写美俳句会作品 
Date: 2019-04-03 (Wed)
1 春の山芭蕉と曽良の姿見ゆ
2  住継ぎし古民家囲む春の山  
3 春の野へまなざし遠く百済仏
4 良縁を求め春野に集ふ会
5 春の山樹間に響く雉の声
6 頂きに手合わす嫗春の山
7 春の山生きるものみな光あり
8 春の山ボンネットバスがたごとと
9 独り身の終活ノート春の山
10 春の野を歩けど未だ花もなし
11 先導の犬に負けじと春の山
12 二人して漕ぎし自転車春の山
13 ふるさとは四方八方春の山
14 北大地眠り足りない春の山
15 春の山生気みなぎる小路行く
16 どくだみを煎じ生薬春の朝
17 生活の一部となりし春の耕 
18 余生なほ杖を力に初ざくら
19 祖父贈るランドセル負ふ一年生
20 風薫る生まれし赤子の蒙古斑
21 生産者のハウスに児らや春苺
22 生かされてイランカラプテ北の春
23 さくらさくらだれにでもある誕生日
24 生きかたは貴方任せよ山笑ふ
25 「令和」てふ世を生きて行く孫の春
26 生きてこそ今年も会へる桜かな
27 目の游ぐ新入生や花筏
28 過去未来間に生くるヒヤシンス
29 長生きは幸せであれ蕗の薹 (父へ)
30 新玉葱生が甘しとサラダとす
1〜30で5句選

31 楤の芽を爪立ちて摘む朝の風
32 山畑の地軸もたげし蕗の董 
33 草庵へ小流れのあり蕗のたう
34 春野菜持ち込む農家朝の市
35 木の間から海の見えたり蕨山
36 俎板にやわらかき音春キャベツ
37 初恋の思ひ出遠し蕗の薹
38 独活酢味噌地酒一献至福の夜
39 春野菜天こ盛りなりサラダバー
40 蕗わらび探し山道辿り行く
41 芹香る厨に猫を叱る声
42 風光る天麩羅となる山野草
43 極上のロールキャベツは春キャベツ
44 春きやべつ刻むリズムはアレグレット
45 山菜の彩添ふる夕餉かな
46 境内の奥の暗がり残り雪
47 久方に指折かぞえ 春を詠む 
48 川岸に岩の椅子あり風薫る
49 球春や球児の熱闘甲子園
50 鈴千個打ちふる形花馬酔木
51 春の夢富士山頂に立つてをり
52 平成を遺跡と為して春没日
53 平成の余韻溶けゆく春霞
54 古里はダム湖の底に花筏
55 乾門通る数多の花見客
56 廃線の久しき土手に土筆摘む
57 令和なる新元号や花の昼
58 つくしんぼ肩をよせ合ふ家族かな
59 令和へと平和継ぎ行き桜咲く
60 花冷に飲み物弁当震えつつ
31〜60で5句選
選んだ10句の中から1句を特選として
鑑賞文を添えてご提出ください。鴻風


  19年三月教室句会選句
Date: 2019-03-06 (Wed)
19年三月 鴻風俳句教室句会
1:啓蟄の林抜けくる老農夫:梶 鴻風:雅・紀子・花菜・明俊・トシ・清月:6
2:啓蟄や腰をかばひつ庭仕事:片山 明俊:紅梅・利久・鴻風:3
3:啓蟄や米朝会議へ世界の眼:石破 利久:○純子○明俊・千枝・雅・美秋:7
4:啓蟄やユニクロタイツ履いたまま:佐川 富子:○鴻風・沙智:3
5:啓蟄や雨やわらかに降ってゐし:林  紅梅:トシ:1
6:啓蟄やまだ眠い子の大あくび:岩渕 純子:雅・紅梅・富子・清月・鴻風:5
7:啓蟄の風のにをひや始発駅:谷口 千枝:紀子・純子・トシ:3
8:啓蟄や土弾き蟻這ひ上がる:池窪 弘務:・美秋:1
9:啓蟄や這い出しましょうかわたくしも:山口 沙智:○富子・鴻風:3
10:啓蟄や牧場の牛の尾よくゆれる:太田 紀子:清月:1
11:啓蟄や迷路の出口を見つけたり:佐藤トシエ:千枝・純子・花菜・紅梅・弘務:5
12:啓蟄や白樫揺らす風の音:持田清月:雅・紀子:2
13:啓蟄や起耕に蛙早起す:斜木美秋:沙智:1
14:啓蟄やスマホ教室混みあへり:村岡 雅:清月・鴻風:2
15:啓蟄や退院知らせる声弾む:若西花菜:千枝・明俊・利久:3

16:三寒の月光渡る原始林:梶  鴻風:紀子・弘務・トシ・鴻風:4
17:健診の結果聞く朝木瓜の花:片山 明俊:純子・利久・弘務:3
18:応接に木彫りの羆長閑なり:石破 利久:明俊:1
19:ドローンの眼となり眺む梅林:佐川 富子:千枝:1
20:裏庭に咲きし青木の花淋し:林  紅梅:0
21:梅林を辿り登れば海遥か:岩渕 純子:紀子・紅梅・弘務:3
22:平成の平和憲法木の芽風:谷口 千枝:0
23:三月や奇跡の松に思ひ馳せ:池窪 弘務:花菜・紅梅・明俊・美秋:4
24:春先は森全体を目覚めさせ:山口 沙智:・美秋:1
25:木の芽風ひび割れ多き象の鼻:太田 紀子:○花菜・千枝・利久・富子・鴻風:6
26:山笑ふ金のなる木に五円玉:佐藤トシエ:純子・沙智・利久・富子:4
27:木の小枝揺れし一瞬初音聞く:持田清月:雅・沙智:2
28:耳すまし初鳴聴きゐる杜の森:斜木美秋:0
29:森の中へ続くスキーの跡二本:村岡 雅:花菜・沙智:2
30:木の根開く友より届く旅便り:若西花菜:○弘務・富子・トシ・美秋・清月:6
31:水皺(すいしゅう)の影弾み出す猫柳:梶  鴻風:○江梅・雅・清月:4
32:ふれ太鼓ひびく浪速の春来る:片山 明俊:千枝・利久・美秋:3
33:公魚を揚げる油の音跳ねる:石破 利久:千枝・沙智・花菜・弘務・鴻風:5
34:少しだけ先取りしませむ春ショール:佐川 富子:トシ:1
35:医師の過誤なしと思へど春寒し:林 紅梅:○利久・明俊・美秋:4
36:梅の香を辿れど方向音痴なり:岩渕 純子:0
37:山里の創作パスタ桃の花:谷口 千枝:○清月・沙智・紅梅・鴻風:5
38:今年また小さき庭に梅笑ふ:池窪 弘務:純子・トシ・鴻風:3
39:春休み孫の予定はすき間なし:山口 沙智:弘務:1
40:春風やビルの谷間に滑り台:太田 紀子:0
41:水温む伸びたる水尾に鴎二羽:佐藤トシエ:雅・紀子:2
42:朧夜の出会いは偶然ハイタッチ:持田清月:千枝:1
43:犬ふぐり道草誘ふ散歩道:斜木美秋:雅・紀子・純子・利久・清月:5
44:雪解けの水嵩ませる漁川:村岡 雅:○千枝・明俊:3
45:長き夢なぞり朝寝の訳探す:若西花菜:美秋:1

46:春の風邪やさしきことばと白湯の湯気:梶鴻風:紀子・沙智・富子・清月:4計18
47:すれ違ふ友もマスクの春の風邪:片山明俊:美秋・花菜:2計11
48:里言葉賑やかにとぶ雛祭:石破利久:純子・紅梅・明俊・富子・弘務・トシ:6計19
49:足跡の窪みに光る雪解水:佐川富子:雅・花菜・弘務:3計8
50:かぎりなく母思ひけり蕗の薹:林紅梅:○雅○トシ・鴻風:5計10
51:春の水四角に区切る豆腐屋さん:岩渕純子:○紀子:2計10
52:ちちははの出会いし町や吊るし雛:谷口千枝:純・沙・明・利・富・清:6計14
53:車窓にもぽっぽぽっぽと桜咲く:池窪弘務:トシ:1
54:古き雛お焚き揚げには惜しまれる:山口沙智:千枝・花菜・紅梅:3
55:ものの芽を避けつつ行ける峠道:太田紀子:0計7
56:冴返る島の床屋の回転灯:佐藤トシエ:○美秋○鴻風・紀子・花菜・利久:7計18
57:亀鳴くや眠たき朝の独り言:持田清月:純子・紅梅・富子・鴻風:4計9
58:春椎茸焼いて馳走になろうか:斜木美秋:○沙智・鴻風:3計9
59:雛祭り息子の弁当ちらし寿司:村岡 雅:明俊・富子・弘務:3計12
60:おしゃべりの止むこともなく針供養:若西花菜:鴻風:1計11

谷口 千枝選
特 選:44:雪解けの水嵩ませる漁川 
鑑 賞: 漁川(いざりかわ)は北海道恵庭市を流れる一級河川。雪解けの漁川の情景を思い浮かべました。実景を見たくなりました。
並 選:3・11・15・19・25・32・33・42・54

村岡 雅選
特 選:50:かぎりなく母思ひけり蕗の薹
鑑 賞:作者がお母さまを想う心の深さ熱さが、しみじみと心に迫ってきてそれが蕗の薹の季語ともよくあっているように思えました。私も米寿過ぎても母のことが思われます。母の好きな雪柳の花が咲くと、一入思い出されますのでこの句が胸に迫って頂きました。
並 選:1.3.6.12.27.31.41.43.49.

太田 紀子選
特 選:51 :春の水四角に区切る豆腐屋さん
鑑 賞:春の水を豆腐に合わせて四角に切るという措辞が素晴らしいです。豆腐屋さんの手に触る水も、温かみを増しているでしょう。
並選:1.7.12.16.21.41.43.46.56

岩渕 純子選:
特 撰:3:啓蟄や米朝会議に世界の眼
鑑 賞:啓蟄はなにかが動き出す感じを持つ言葉です。いまいちばんの話題である米朝会議の行方、何が起こるのだろうかという期待にあい通じるものを感じました。
並 選:7,11,17,26,38,43,48,52,57

若西 花菜選
特 選:25:木の芽風ひび割れ多き象の鼻
鑑 賞: 札幌の丸山動物園に象が来ました。長い間象はいなかったので良かったです。暖かくなったら動物園に行きたいです。まだ若い象のようですからそんなにひび割れてはいないのでしょうが、ニュースをとらえて新鮮に感じました。
並 選:1・11・23・29・33・47・49・54・56

山口 沙智選
特 選:58:春椎茸焼いて馳走になろうか
鑑 賞:椎茸のバター焼きは私の大好物です。「世の中にこれ以上美味しい物は無い!」と思うほどに大好きです。長年愛用している水原秋桜子編の歳時記には「椎茸」では季語としてないので「春椎茸」なんだと思いました。椎茸好きの私には特選でした。
並 選:4.13、26,27,29,33,37、46,52

林 江梅選
特 選:31:水皺の影弾み出す猫柳
鑑 賞:きらきらと耀く小波と春風が猫柳の芽をほどいて咲かせてくれた、そんな素敵な俳句で、故郷の水辺の景色が思い浮かんで、頂きました。                  
並 選:2・6・11・21・23・37・48・54・57

片山 明俊選
特 選:3:啓蟄や米朝会議へ世界の眼
鑑 賞:ベトナムのハノイに於ける2月27日の米朝首脳による二度目の会談を啓蟄に絡めて詠んでおられるのが巧いと思いました。結果は予想外の物別れとなりまし        たが、非核化と経済支援の見返りは、また朝鮮戦争の終戦宣言は如何にと世界の眼は釘付けとなりました。  
並 選:1,15,18,23,35,44,48,52,59

石破 利久選
特 選:35:医師の過誤なしと思へど春寒し
鑑 賞:この度の堀ちえみさんの舌癌・・・歯科医師の見落としとも思える問題、患者としては常に正しい診断、適切な治療を受けたいものだ。彼女の早期ご回復を祈りつつこの句を選ばして頂きました。
並 選:2、15、17、25、26、32、43、52、56 

佐川 富子選
特 選:9:啓蟄や這い出しましょうかわたくしも
鑑 賞:春になると何となくうきうきした気持ちになります。暖かい日差しに誘われて人も虫も動きたくなりますね。わたしもあなたも皆這い出しましょう。
並 選:6.25.26.30.46.48.52.57、59

池窪 弘務選
特 選:30:木の根開く友より届く旅便り
鑑 賞:「木の根開く」という季語に惹かれました。はじめはなんだろうと思ったの
ですが、調べて分かりました。立ち木のまわりの雪がいちはやくとけること。木の生
命力を感じます。春を待つ雪国ならではの季語だと思います。「旅便り」の措辞も新
鮮です。
並 選:11.16.17.21.33.39.48.49.59

佐藤トシエ選
特 選:50:かぎりなく母思ひけり蕗の薹
鑑 賞:母が亡くなって27年、母の齢に近づいてきたからか、色々な場面で母を思い起こすことが多くなってきた。生きていれば百歳を過ぎている母に今ならどんな些細な事も聞いてほしいと思いつつ、作者はかぎりなく、どんな思いを込めているのだろうと・・優しさ溢れるお句に癒されました。
並 選:1・5・7・16・30・34・38・48・53

斜木 美秋選
特 選:56:冴えかえる島の床屋の回転灯
鑑 賞:ぶり返した寒気の中、床屋の回転灯見るとああ・・床屋さんの店の中きっと暖房が効いてるだろうな〜と。冴えかえる島の床屋への道は淋しくもあるが、暖房の効いた店内を連想します。
並 選:3.8.23.24.30.32.35.45、47、56

持田 清月選
特 選:37:山里の創作パスタ桃の花
鑑 賞:季語がとても良いと思いました。地方の料理で、お袋の味などはよく見かけます。しかし此処では、同じお袋も味かも知れないけれど、桃の関するものらしく季節限定を匂わせています。又その料理が、和食では無くパスタと異表を付いているところが面白く感じられました。
並 選:1:6:10:14:30:31:43:46:52
梶 鴻風選 一行鑑賞
2:啓蟄や腰をかばひつ庭仕事:片山 明俊
>今年は今日3月6日が啓蟄である。冬の間土の中で眠っていた蟲が動き始める時期というのである。対義語は「閉蟄」だ。鴻も膝も腰も痛いが動き出さなければならない。
4:啓蟄やユニクロタイツ履いたまま:佐川 富子:
>啓蟄と言っても、北海道はまだまだ雪の庭である。蟲たちもまだまだ土の深いところでねむっている。恵庭の冬の凍土は60〜80cmである。まだまだタイツは必要。
6:啓蟄やまだ眠い子の大あくび:岩渕 純子:
>小さい子は眠くなったら何処でもコトンと睡魔に襲われる。起きる時は機嫌良く起きる時と、まだ目覚めずに大きなあくびをしていることもある。啓蟄の頃は大人も眠い。
9:啓蟄や這い出しましょうかわたくしも:山口 沙智:
>土深く蟲は眠っているが、啓蟄と聴けばいつまでも眠っているわけにも行かず、起き出そうとは思うのだが、まだまだ厚く積もった雪の布団から抜け出せないでいる。私も。
14:啓蟄やスマホ教室混みあへり:村岡 雅:
>偶然にも「啓蟄」の兼題では、本州の明俊・純子さんを除いて北海道勢によい俳句が見られた。これは春への強い憧れがそうさせたのであろう。スマホを持って外に出よう。
16:三寒の月光渡る原始林:梶 鴻風:
>みなさんはきっと鴻はなぜ自分の句をここに取り上げているのかと思うことでしょう。なんのことはない自分を入れた全員の俳句がでているかという数会わせのためです。
25:木の芽風ひび割れ多き象の鼻:太田 紀子:
>「木・林・森」の木関連のお題が出されたが、正直言って難しかった。この句の良さは「木の芽風」という季語を見つけたことと「ひび割れた像の鼻」の意外性にある。
33:公魚を揚げる油の音跳ねる:石破 利久:
>「公魚(わかさぎ)」漢字を面白いと思う。どこまでが「わか」でどこからが「さぎ」なのかなどと思ったりする。中国語の「公魚gongyu」を使っている。天ぷらがうまい。
37:山里の創作パスタ桃の花:谷口 千枝:
>読む人に明るさを与えてくれる俳句である。今朝も利尻島で観光時期になると並ぶようなラーメン店があると知らせてくれた。この店のパスタも食べたいと思う。
38:今年また小さき庭に梅笑ふ:池窪 弘務:
>「梅笑ふ」は梅の花が開くことで「梅咲ふ」ともかくことは広辞苑にも出ているが、年々歳々開く梅の花でも、人間の気持ちによって咲き方が違って見えるのだ。

50:かぎりなく母思ひけり蕗の薹:林 紅梅:
>「かぎりなく」は大胆な表現である。江梅さんのようなご高齢な方になればなるほど母を思う物なのであろうか。取り合わせの「蕗の薹」の季語が働いている。
56:冴返る島の床屋の回転灯:佐藤トシエ:
>鴻も30年島に住んでいたが、どこに回転灯の回っている理髪店があったろうなどと思っている。北の果ての島にも進化はあるのだ。鴻も島を離れて25年経過した。
57:亀鳴くや眠たき朝の独り言:持田清月:
>亀には声帯器官が泣くことは無い。「亀鳴く」といったのは藤原為家で「河越しのみちの長路の夕闇に何ぞときけば亀ぞなくなる」からである。清月さんはなにを言うのか。
58:春椎茸焼いて馳走になろうか:斜木 美秋:
>口語俳句だが、決まっている。ただ下五は「なろうか」の4音なので「なろうかな」と5音と定型にした方が俳句としては落ち着くのだが。やはり下は5音が落ちくものだ。
60:おしゃべりの止むこともなく針供養:若西 花菜:
>女性ばかりでのお針仕事なのだろう。針供養と言っても限りなくお喋りが続き止むことも無いようだ。まるでカナリアが止むこと無く囀っている感じだ。明るくて好い。

総合成績:
一 席:石破 利久:19点
二 席:佐藤トシエ:18点
二 席:梶  鴻風:18点
三 席:谷口 千枝:14点
作品成績
一 席:3:啓蟄や米朝会議へ世界の眼:石破 利久:7点(特2並3)
一 席:56:冴返る島の床屋の回転灯:佐藤トシエ:7点(特2並3)
二 席:1:啓蟄の林抜けくる老農夫:梶 鴻風:6点(並6)
二 席:25:木の芽風ひび割れ多き象の鼻:太田 紀子:(特1並4)
二 席:30:木の根開く友より届く旅便り:若西花菜:(特1並5)
二 席:48:里言葉賑やかにとぶ雛祭:石破利久:(並6)
二 席:52:ちちははの出会いし町や吊るし雛:谷口千枝:(並6)


  19 年三月 句写美教室句会作品
Date: 2019-03-04 (Mon)
1 啓蟄の林抜けくる老農夫
2 啓蟄や腰をかばひつ庭仕事
3 啓蟄や米朝会議へ世界の眼
4 啓蟄やユニクロタイツ履いたまま
5 啓蟄や雨やわらかに降ってゐし
6 啓蟄やまだ眠い子の大あくび
7 啓蟄の風のにをひや始発駅
8 啓蟄や土弾き蟻這ひ上がる
9 啓蟄や這い出しましょうかわたくしも
10 啓蟄や牧場の牛の尾よくゆれる
11 啓蟄や迷路の出口を見つけたり
12 啓蟄や白樫揺らす風の音
13 啓蟄や起耕に蛙早起す
14 啓蟄やスマホ教室混みあえり
15 啓蟄や退院知らせる声弾む
16 三寒の月光渡る原始林:
17 健診の結果聞く朝木瓜の花
18 応接に木彫りの羆長閑なり
19 ドローンの眼となり眺む梅林
20 裏庭に咲きし青木の花淋し
21 梅林を辿り登れば海遥か
22 平成の平和憲法木の芽風
23 ​三月や奇跡の松に思ひ馳せ
24 春先は森全体を目覚めさせ
25 木の芽風ひび割れ多き象の鼻
26 山笑ふ金のなる木に五円玉
27 木の小枝揺れし一瞬初音聞く
28 耳すまし初鳴聴きゐる杜の森
29 森の中へ続くスキーの跡二本
30 木の根開く友より届く旅便り
ここまでで5句選


31 水皺(すいしゅう)の影弾み出す猫柳
32 ふれ太鼓ひびく浪速の春来る
33 公魚を揚げる油の音跳ねる
34 少しだけ先取りしませむ春ショール
35 医師の過誤なしと思へど春寒し
36 梅の香を辿れど方向音痴なり
37 山里の創作パスタ桃の花
38 今年また小さき庭に梅笑ふ
39 春休み孫の予定はすき間なし
40 春風やビルの谷間に滑り台
41 水温む伸びたる水尾に鴎二羽
42 朧夜の出会いは偶然ハイタッチ
43 犬ふぐり道草誘ふ散歩道
44 雪解けの水嵩ませる漁川
45 長き夢なぞり朝寝の訳探す
46 春の風邪やさしきことばと白湯の湯気
47 すれ違ふ友もマスクの春の風邪
48 里言葉賑やかにとぶ雛祭
49 足跡の窪みに光る雪解水
50 かぎりなく母思ひけり蕗の薹
51 春の水四角に区切る豆腐屋さん
52 ちちははの出会いし町や吊るし雛
53 車窓にもぽっぽぽっぽと桜咲く
54 古き雛お焚き揚げには惜しまれる
55 ものの芽を避けつつ行ける峠道
56 冴返る島の床屋の回転灯
57 亀鳴くや眠たき朝の独り言
58 春椎茸焼いて馳走になろうかな
59 雛祭り息子の弁当ちらし寿司
60 おしゃべりの止むこともなく針供養
ここまでで5句選。
計10句の中から1句特選として、感想をお書きください。


  19年一月句会選句と鑑賞文
Date: 2019-01-05 (Sat)
19年一月句会
1:亥の年や平成最後の年新た:梶  鴻風:・弘務・利久:2
2:年新た白寿の義母の挨拶で:池窪 弘務:・明俊‣花菜・鴻風:3 
3:災厄を乗り切る民や年新た:片山 明俊:○利久・弘務・富子・清月:5
4:賜はりし余命携へ年迎ふ:石破 利久:○明俊○雅・純子・喜久代・紀子・清月‣花菜・鴻風:10
5:年新た穏やかな朝の目覚めなり:山口 沙智:・喜久代:1
6:千の風迎えし橋や初御空:谷口 千枝:・沙智:1
7:一歩踏む膝を確かめ年新た:柴田喜久代:・明俊・清月:2
8:新年の清められたる居間広し:村岡 雅:・喜久代‣花菜:2
9:篝火に人の集まる初詣 :太田 紀子:・沙智・鴻風:2
10:九十四回の新年数ふ父:佐川 富子:・鴻風:1
11:若水や携帯電話の着信音:持田 清月:○鴻風・利久・紀子・雅:5
12:できることを並べ数へつ年明くる:若西 花菜:・弘務:1
13:初凧の伝統懐かし昭和の子:斜木 美秋:・純子・千枝・雅:3
14:喜寿傘寿万寿で祝ふ年始め:岩渕 純子:○沙智・富子:3

15:福だるま眉毛太きは父に似て:梶  鴻風:○紀子・純子・弘務‣花菜:5
16:福の神また通り過ぐ大晦日:池窪 弘務:・純子・利久:2
17:福耳の卒寿の翁初笑ひ:片山 明俊:・千枝・利久・沙智:3
18:福相の地蔵の肩へ初雀:石破 利久:・明俊・千枝・紀子:3
19:豆腐屋の福袋買ふ三ヶ日:山口 沙智:・純子・富子:2
20:夫夫の幸福論や福寿草:谷口 千枝:・雅:1
21:姉を訪ひ恙を問うて福寿草:柴田喜久代:0
22:盛り場の福引の鐘大当たり:村岡 雅:・喜久代:1
23:福引きの鐘のよく鳴る最終日:太田 紀子:・喜久代:1
24:吾輩は福猫であると炬燵猫:佐川 富子:・千枝・弘務・紀子・雅:4
25:福詣去年と同じ人と会ふ:持田 清月:・富子:1
26:大福茶しみじみ服すお元日:若西 花菜::富子:1
27:福袋平成最後の売り出され:斜木 美秋:・鴻風:1
28:今日からの二世帯暮らし福寿草:岩渕 純子:○鴻風・千枝・明俊・清月‣花菜・沙智:7

総合成績:
一 席:片山 明俊:18展
一 席:岩渕 純子:18点
二 席:石破 利久:17点
三 席:柴田喜久代:11点
三 席:太田 紀子:11点
三 席:村岡  雅:11点


29:大福茶いただき恙なき夫婦:梶 鴻風:・紀子:1
30:ストーブでコッペパン焼く昭和かな:池窪 弘務:・紀子・雅:2
31:熱燗や俄か政治家ゐる屋台:片山 明俊:○千枝・弘務・喜久代・利久・清月‣花菜・喜久代:8
32:独楽廻し得意の兄の若白髪:石破 利久:・片山・紀子:2
33:玄関にミニ羽子板置き亥年なり:山口 沙智:・千枝・雅・鴻風:3
34:「千」の字を継ぎゆく我が名福寿草:谷口 千枝:○富子・明俊:3
35:投光に浮かぶ雪の夜救急車:柴田喜久代:・千枝・利久・紀子・雅:4
36:初鏡老いの笑顔におめでとう:村岡  雅:○純子・弘務・明俊・富子・清月:6
37:枯れ菊の花に黄色の残りをり:太田 紀子:・喜久代‣花菜:2
38:先達の歩み味はふ初句会:佐川 富子:・沙智:1
39:数の子と遊びし奥歯六地蔵:持田 清月:・純子・千枝・鴻風:3
40:獅子頭中には若き男ゐて:若西 花菜:・純子・喜久代・鴻風:3
41:老婦夫向かい合いての雑煮膳:斜木 美秋:・純子:1
42:微かなる遠寺の鐘年惜しむ:岩渕 純子:0

43:老人にナイトキャップの毛糸帽:梶 鴻風:‣花菜:1:計9
44:鶺鴒の細き足踏む冬野かな:池窪 弘務:・清月:1:計8
45:カタログに惹かる洋風節料理:片山 明俊:・利久・喜久代:2:計18
46:力むより祈りつ撞けよ除夜の鐘:石破 利久:・明俊・雅:2:計17
47:お年玉アニメの袋に迷ひつつ:山口 沙智:0:計6
48:何もかもプラス思考や初日記:谷口 千枝:・清月・沙智・鴻風:3:計8
49:真白なる枡目に無限初暦:柴田喜久代:○花菜・弘務・清月・鴻風:5:計11
50:お雑煮は味噌味丸餅関西風:村岡  雅:・富子・鴻風:2:計11
51:初御空杉の森より雲の湧く:太田 紀子:・純子・千枝・弘務・明俊・利久・富子:6:計11
52:体調を問ふ友のあり去年今年 佐川 富子:‣花菜・沙智:2:計8
53:広告を折りてゴミ箱炬燵蜜柑:持田 清月:・雅:1:計9
54:新雪に大の字二つ旅の人:若西 花菜:・利久・富子・沙智:3計:8
55:恋し娘に正月小袖似合う杜:斜木 美秋:0:計5
56:御破算にできないままに除夜の鐘:岩渕 純子:○弘務○喜久代〇清月・紀子・沙智:8:計18

作品成績
一 席:4:賜はりし余命携へ年迎ふ:石破 利久:10点(特2並6)
二 席:56:御破算にできないままに除夜の鐘:岩渕 純子:8点(特3並2)
二 席:31:熱燗や俄か政治家ゐる屋台:片山 明俊:8点(特1並6)
三 席:28:今日からの二世帯暮らし福寿草:岩渕 純子:7点(特1並5)





岩渕 純子選
特 選:36:初鏡老いの笑顔にありがとう
鑑 賞:普段鏡はなるべく見ない。見たくもない皺やシミ顔に出会いたくないから。でも年の初めぐらい鏡にいい顔してみよう。笑顔でおめでとうといってみよう。今年は良い年になりますように、笑顔で過ごせますように!元気のでる句です。
並 選:4,13,15,16,19,39,40,41,51

谷口 千枝選
特 選:31:熱燗や俄か政治家ゐる屋台
鑑 賞:俄か政治家が日本の各地にいると思います。熱燗を飲みつつ屋台で政治への不満を言える幸せな人のいる景色。いいですね。
並 選:13・17・18・24・28・33・35・39・51

池窪 弘務選
特 選:56:御破算にできないままに除夜の鐘
鑑 賞:何もかもご破算にして新年を迎えたい。でも、そうはいかないのが人の常で
す。新しい年もやっぱり何もかも引きずって生きていかねばなりません。除夜の鐘が
言い得て妙だと思いました。
並 選:1.3.12.15.24.31.36.49.51

片山 明俊選
特 選:4:賜はりし余命携へ年迎ふ
鑑 賞:天与の人生にはいろんな試練が・・昭和一桁生まれには疎開・戦争・空襲・飢餓・天災など        数多くの試練のなかよくぞこの歳まで生きて来たという思ひが共通してをり即ち余生として        与えられた新たな年への感謝と感慨が込められている句として頂きました。
並 選:2・7・18・28・32・34・36・46・51

石破 利久選
特 選:3:災厄を乗り切る民や年新た
鑑 賞:昨年の西日本は思わぬ大阪北部地震に暴風雨加へて岡山の大水害などなど防ぎようのない天災
に見舞われました。それらの被害を乗り越え復興に励む人達とボランテアの人びとの姿に感動し         エールを送り新しい年への出発を激励したくなる句と受けとめました。
並 選:1・11・16・17・31・35・45・51・54

佐川 富子選
特 選:34:「千」の字を継ぎゆく我が名福寿草
鑑 賞:途切れずにつながっていくなんて素晴らしいですね。「千」という字も素敵ですね。福寿草と共にお正月らしいめでたい句だと思いました。
並 選:3.14.19.25.26.36.50.51.54

柴田喜久代選
特 選:56:御破算にできないままに除夜の鐘
鑑 賞:許せなかったことに多少の悔いを残しての年越し、その様子が優しく表現されているところに引かれました。
並 選:4、5、8、22、23、31、37、40、45、

太田 紀子選
特 選:15 :福だるま眉毛太きは父に似て
特 選:眉毛の太い福だるま、その眉毛が父親に似ているなんて、ほのぼのとした感じがします。きっと、育った環境が、穏やかないい家庭だったのだと思います。
並 選:4、11、18、24、29、30,32、35、56

持田 清月選
特 選:56:御破算にできないままに除夜の鐘
特 選:とても人間らしく思わず納得してしまいました。俳句はきれいな物をきれいに読みがちですが、このように詠まれると、はっとします。
並 選:3:4:7:28:31:36:44:48:49
 
村岡 雅選
特 選:4:賜りし余命携え年迎ふ
鑑 賞:この句は今の私の気持ちそのままを詠まれていますので特選に頂きました。 
並 選:11.13.20.24.30.33.35.46.53.

若西 花菜選
特 選:49 真白なる升目に無限初暦
鑑 賞:新年の計画を立てようという改まった意気込みや可能性を持つことの大切さを指摘されたように感じました。いろいろなことで後ろ向きになっていますがそれを跳ねのけることが必要なのでしょうね。心したいと思って選ばせていただきました。
並 選:2・4・8・15・28・31・37・43・52

山口 沙智選
特 選:14:喜寿傘寿万寿で祝ふ年始め
鑑 賞:高齢のご兄弟がご夫婦そろって集まり年始のお祝いをしていらっしゃるのですね。私が実家に帰ると兄や妹たちが集まってくれるのを思い出し掲句をいただきました。
並 選:6,9,17,28,38,48,52,54,56





梶  鴻風選 一行鑑賞:集計に時間がかかり鑑賞文ができていません。夜までには書きます。
1:亥の年や平成最後の年新た:梶  鴻風:
>自分の句を入れるのは、人数を落としていないかの確認なんです。^^ 
2:年新た白寿の義母の挨拶で:池窪 弘務:
>「白寿」とは99歳のこと。お元気で「百賀の祝い」をお迎えしていただきたい。めでたい限りです。
4:賜はりし余命携へ年迎ふ:石破 利久:
>利久さんは86歳になると暮れにお聞きした。百寿まではまだまだ。人生百歳といわれています。
9:篝火に人の集まる初詣 :太田 紀子:
>なにか由緒のある神社のように思われます。それは「篝火」という言葉から来る響きでしょう。
10:九十四回の新年数ふ父:佐川 富子:
>94歳のご父君。単純に数えても大正生まれのお方。大正・昭和・平成・?。四代に渡ってとは尊い。
11:若水や携帯電話の着信音:持田 清月:○鴻風
>若水と携帯電話とのギャップが面白い。「若水」とは除夜の鐘が鳴り終わるのを待って年男が井戸や川から水を汲み上げ、その水で雑煮を焚き神仏に供える古くからの習わしであり、その若水を清月さんが組まれているのであろう。そこへ携帯電話の音がけたたましくなった。昔では考えられない光景である。
17:福耳の卒寿の翁初笑ひ:片山 明俊:
>一月句会は年齢に関する句が多い。卒寿とは90歳。ここにもお元気なお方がいる。あやかりたい。
27:福袋平成最後の売り出され:斜木 美秋:
>鴻もだが平成最後の句も多かった。福袋を中国人が買占め、それをばらして中国に送り儲けるとか。
28:今日からの二世帯暮らし福寿草:岩渕 純子:○鴻風
>4番の利久さんの句と、28番のこの純子さんの句とどちらを特選にしようか迷った。暮れになってから、お子さん夫婦がやってきて一緒に住むことになったとおっしゃっていた。二世帯一緒に住むとそれなりの気苦労もあろうかとも思われるが、楽しみもまた倍増するであろう。楽しくなりましょう。
33:玄関にミニ羽子板置き亥年なり:山口 沙智:
>沙智さんから暮れに20pほどの干支のミニ羽子板をいただいた。三が日玄関に飾った。
40:獅子頭中には若き男ゐて:若西 花菜:
>新年に獅子頭を持ち角付けして歩いたいたが今では見られない。だが歴史ある小樽にはあるのだろう。
48:何もかもプラス思考や初日記:谷口 千枝:
>人間はとかくマイナス思考でものを考えるが、千枝さんはプラス思考で物事を考えるのだ。見習おう。
49:真白なる枡目に無限初暦:柴田喜久代:
>一月句会から参加された。それで総合三席とは素晴らしい。今後も続けていただきたい。おめでとう。
50:お雑煮は味噌味丸餅関西風:村岡  雅:
>村岡さんの故郷はどこであろう。北海道は四角い餅だが丸餅とは作るのに面倒だと思うのだが。

 毎月の句会が14人とは、なんと少なくなったことであろう。寂しいと思う。
どなたか会員をお誘いくださり、20名程度の句会にしたいとは思うのだが、ご協力をよろしくお願いいたします。



  19年一月句会作品
Date: 2019-01-03 (Thu)
19年一月句会
1 亥の年や平成最後の年新た
2 年新た白寿の義母の挨拶で
3 災厄を乗り切る民や年新た
4 賜はりし余命携へ年迎ふ
5 年新た穏やかな朝の目覚めなり
6 千の風迎えし橋や初御空
7 一歩踏む膝を確かめ年新た
8 新年の清められたる居間広し
9 篝火に人の集まる初詣
10 九十四回の新年数ふ父
11 若水や携帯電話の着信音
12 できることを並べ数へつ年明くる
13 初凧の伝統懐かし昭和の子
14 喜寿傘寿万寿で祝ふ年始め
15 福だるま眉毛太きは父に似て
16 福の神また通り過ぐ大晦日
17 福耳の卒寿の翁初笑ひ
18 福相の地蔵の肩へ初雀
19 豆腐屋の福袋買ふ三ヶ日
20 夫夫の幸福論や福寿草
21 姉を訪ひ恙を問うて福寿草
22 盛り場の福引の鐘大当たり
23 福引きの鐘のよく鳴る最終日
24 吾輩は福猫であると炬燵猫
25 福詣去年と同じ人と会ふ
26 大福茶しみじみ服すお元日
27 福袋平成最後の売り出され
28 今日からの二世帯暮らし福寿草

1〜28で5句選
29〜56で5句選
合計10句選の中から、特選一句を選び鑑賞文をお書きください。

29 大福茶いただき恙なき夫婦
30 ストーブでコッペパン焼く昭和かな
31 熱燗や俄か政治家ゐる屋台
32 独楽廻し得意の兄の若白髪
33 玄関にミニ羽子板置き亥年なり
34 「千」の字を継ぎゆく我が名福寿草
35 投光に浮かぶ雪の夜救急車
36 初鏡老いの笑顔におめでとう
37 枯れ菊の花に黄色の残りをり
38 先達の歩み味はふ初句会
39 数の子と遊びし奥歯六地蔵
40 獅子頭中には若き男ゐて
41 老婦夫向かい合いての雑煮膳
42 微かなる遠寺の鐘年惜しむ
43 老人にナイトキャップの毛糸帽
44 鶺鴒の細き足踏む冬野かな
45 カタログに惹かる洋風節料理
46 力むより祈りつ撞けよ除夜の鐘
47 お年玉アニメの袋に迷ひつつ
48 何もかもプラス思考や初日記
49 真白なる枡目に無限初暦
50 お雑煮は味噌味丸餅関西風
51 初御空杉の森より雲の湧く
52 体調を問ふ友のあり去年今年
53 広告を折りてゴミ箱炬燵蜜柑
54 新雪に大の字二つ旅の人
55 恋し娘に正月小袖似合う杜
56 御破算にできないままに除夜の鐘



  18年十二月鴻風俳句教室選句
Date: 2018-12-04 (Tue)
18年十二月 鴻風俳句教室句会
1:あたたかき鉛筆の文字山眠る:梶鴻風:・利久・雅:2
2:山眠る後ろ姿の昭和かな:池窪弘務:0
3:山眠る夢も希望も抱きつつ:岩渕純子:・明俊:1
4:海峡をつなぐ隧道山眠る:石破利久:・明俊・千枝・トシ:3
5:山眠る明智滅びし城の址:片山明俊:○美秋・清月・明俊・利久:5
6:新しき靴にも慣れて山眠る:持田清月:0
7:山眠る彩り消えてただ静か:山口沙智:0
8:白粉で化粧し直し山眠る:佐川富子:0
9:ゴロゴロとキャリーカートや山眠る:村岡雅:・千枝:1
10:アカゲラの木を敲く音山眠る:若西花菜:・純子・紀子・富子:3
11:山眠る静けさ破る木挽き音:斜木美秋:・純子・花菜・花菜・雅:4
12:熊の去る跡を消しつつ山眠る:佐藤トシエ:○弘務○鴻風・清月・明俊・美秋・花菜:8
13:山眠り静寂に星の子守歌;太田紀子:0
14:病める子のかすかな寝息山眠る:谷口千枝:○利久・富子・紀子・清月・弘務・雅・沙智・トシ・鴻風:10
15:冴ゆる夜の鉄橋渡る貨車の音:梶鴻風:・紀子・明俊・花菜・雅・沙智・トシ:6
16:橋渡り寒菊供ふ辻地蔵:池窪弘務:・純子・美秋・花菜:3
17:光あれ夢のかけ橋冬の虹:岩渕純子:0
18:色変へぬ松晴ればれと二重橋:石破利久:・明俊・沙智・2
19:淡路へと大橋の混む小春かな:片山明俊:・沙智・利久:2
20:肺までも沁み入る寒さ丸木橋:持田清月:○千枝・富子・紀子・弘務・美秋・トシ:7
21:凍結の橋を歩いて鳥を見に:山口沙智:0
22:橋梁に幣舞ふ冬の釧路港:佐川富子:・トシ:1
23:冬日射す恵庭大橋の乙女像:村岡雅:・清月・美秋・千枝:3
24:紅葉谷トロッコ列車は橋の上:若西花菜:・純子・雅:2
25:石橋の円弧の中に櫨紅葉:斜木美秋:・純子・弘務・花菜:3
26:寒月や弁慶敗る五条橋:佐藤トシエ:・富子:1 
27:冬凪や大橋くぐるロシア船;太田紀子:・富子・清月・利久・千枝・鴻風:5
28:昭和橋渡る親子や冬の虹:谷口千枝:○紀子・紀子・弘務・沙智:5

作品成績
一 席:46:桜島隠れる程に懸大根:石破利久:22点(特5・並3)
二 席:14:病める子のかすかな寝息山眠る:谷口千枝:10点(特1・並8)
三 席:12:熊の去る跡を消しつつ山眠る:佐藤トシエ:8点{特2・並4)
 




29:大揺れに揺れる吊橋渓紅葉:梶鴻風:・純子・明俊:2
30:冬うらら子供に返るイルカショー:池窪弘務:・鴻風:1
31:いつだってひと言多い実南天:岩渕純子:・清月・弘務:2
32:木枯しやガス灯ゆらぐ煉瓦道:石破利久:・純子・花菜・雅・トシ:4
33:震災を引きずる更地石蕗の花:片山明俊:○清月・富子・紀子・利久・鴻風:6
34:百五十超えし血圧冬の朝:持田清月:0
35:寄鍋の鱈と白滝お替わりし:山口沙智:・美秋・雅:2
36:初雪の融け収集す花の種:佐川富子:・紀子・鴻風:2
37:風邪に臥す子に作りゐる生姜湯:村岡雅:○沙智・利久・鴻風:4
38:山静かかさと音立て木の葉散る:若西花菜:・トシ:1
39:異常かな木枯らし吹かず冬入れり:斜木美秋:・明俊・美秋:2
40:忘年会一曲唸る漁師節:佐藤トシエ:・沙智:1
41:瀬戸大橋越えつつ食べるきのこ飯;太田紀子:・沙智:1
42:何もかも夢見心地や日向ぼこ:谷口千枝:○花菜・純子・美秋・雅:5

43:雪晴れやピアノ教室の窓の文字:梶鴻風:0:計10
44:墓じまい先祖も消ゆる年の暮:池窪弘務:・富子・清月・明俊・美秋:4:計8
45:おでん鍋好み譲れぬ夫婦箸:岩渕純子:・弘務・トシ・鴻風:3:計6
46:桜島隠れる程に懸大根:石破利久:○純子○富子○明俊○トシ○鴻風・紀子・弘務・美秋:13:計22
47:坊守の拾ふ銀杏庭静か::片山明俊:○雅・利久・弘務・千枝・花菜・沙智:7:計20
48:一年の速さが挨拶小六月:持田清月:・弘務・鴻風:2:計9
49:取り出した遺品のショールに母の名が:山口沙智:・鴻風:1:計3
50:日めくりの厚さ五ミリや十二月:佐川富子:・純子・紀子・千枝・花菜・トシ:5:計8
51:仏手柑の香り楽しみ描きをり:村岡雅:0:計8
52:開通の高き橋桁冬の空:若西花菜:・清月・明俊・千枝・鴻風:4:計10
53:流鏑馬や神となりたる美少年:斜木美秋:・利久・千枝・鴻風・沙智:4:計13
54:初雪に恋が実ると異邦人:佐藤トシエ:・富子・清月・千枝・花菜・雅:5:計15
55:悴める幼な子の手を包みけり:太田紀子:・利久:1:計7
56:平成の後期高齢日記買ふ:谷口千枝:・富子:1:計21

総合成績:
一 席:石破 利久:22点
二 席:谷口 千枝:21点
三 席:片山 明俊:20点
三 席:佐藤トシエ:15点


  
岩渕 純子選
特 選:46:桜島隠れる程に懸大根
鑑 賞:絵に描きたくなるような風景の句です。桜島というだけで青空にたなびく噴煙まで目にうかびます。そのおおきな背景の桜島が隠れてしまうほどにたくさんの大根が干されている。見たことはないその風景が目に浮かんでくる雄大な句です。
並選:10,11,16,24,25,29,32,42,50

佐川 富子選
特 選:46:桜島隠れる程に懸大根
鑑 賞:桜島は見たことがありません。山が隠れるくらいいっぱいに干された大根。辺りの風景も浮かんでくるような気がします。行って眺めてみたいなあと思わせてくれる句でした。
並 選:10.14.20.26.27.33.44.54.56

太田 紀子選
特 選:28:昭和橋渡る親子や冬の虹
鑑 賞:橋の彼方にかかる冬の虹、この親子の未来に良いことが起きそうな気持がします。昭和橋、全国にいくつもあるそうですね。明るい未来を持った親子、沢山いるのでしょう。
並 選:10・14・15・20・28・33・36・46・50

持田 清月選
特選:33:震災を引きずる更地石蕗の花
特選理由:私たちの住む日本はいつどこでどの様な震災が来るか分かりません。震災だけならば復興はできると思うのですが、それに原子力の事故が絡んでいると大変に難しくなってきます。国民も議員も政府も分かっているはずなのに推進しています。不思議な国ですね。
並選:5:12:14:23:27:31:44:52:54

片山 明俊選
特 選:46:桜島隠れる程に懸大根
鑑 賞:神戸から姫路へ行く車窓から懸け大根を見たことがあります。白鷺城を遥かに望む播州平野の街道筋に高い矢倉を組み大量の大根が干されていた光景を思ひ出しながらこの句はそれに匹敵するぐらいの大根干しであったのではないかと思いました。
並 選:3・4・12・15・18・29・39・44・52




石破 利久選
特 選:14:病める子のかすかな寝息山眠る
鑑 賞:漸くにして小康を得た我が子の安らかな寝息に安堵しているお母さんを思い浮かべこころ優しい句として頂きました。山眠るの季語がどかっと効いています。
並 選:1・5・19・27・33・37・47・53・55

池窪 弘務選
特 選:12:熊の去る跡を消しつつ山眠る
鑑 賞:今年五月三十日に利尻島にいるはずのないヒグマの痕跡が見つかり、続いて
無人カメラに牡のヒグマが写り、島にいることは確実となった。島は大騒動になり、
日本中が注目した。五ヶ月後『利尻島内にヒグマが生息している可能性は、限りなく
低い』という結論が出た。熊は去って行った? 山はそんな騒動に無関心に深い眠り
に入った。『跡を消しつつ』の主語は何か。人か、自然か、一頭のヒグマか。余韻の
残る素晴らしい俳句だと思います。
並 選:14.20.25.28.31.45.46.47.48

斜木 美秋選
特 選:5:山眠る明智滅びし城の跡
鑑 賞:中世の日本の典型的な山城の跡と聞いたことがあります。中世の武者たちの夢の跡で、歴史の一コマ見る様な気がします。山眠る中に城跡の石碑だけひいそりたたずんいるのでしょうね。光秀の話が有名だけに印象に残ります。
並 選:12.16.20.23.35.39.42.44.46

谷口 千枝選
特 選:20:肺までも沁み入る寒さ丸木橋
鑑 賞:12月の兼題の一つは「橋」。私も色色な橋を思い浮かべた「丸木橋」も思い出した橋の一つ。幼き日に渡ったことのある橋。恐る恐る震えながら渡った橋。作者は「丸木橋」のことを思い浮かべ、現在の体に沁みる心境を詠んでいる。巧い句だと思う。
並 選:4・9・23・27・47・50・52・53・54

若西 花菜選
特 選:42:何もかも夢見心地や日向ぼこ
鑑 賞:最近は体力気力の衰えを感じるようになってきた。新しいことには面倒で現状維持を通したい気分だ。消費税増税もどうでもよい、では困るのだが国が立ち行かなくなっては・・、などと思い長いものや声高なものに負けてしまいそうだ。のんびりしたい気分で選びました。
並 選:11・12・15・16・25・32・47・50・54


村岡 雅選
特 選:47:坊守の拾う銀杏庭静か
鑑 賞:この句を読んでとても静かな穏やかな日にゆっくりと銀杏を拾う女性の姿が浮かびゆったりとした気分になりました。暖かく静かな句で好きです。
並 選:1.11.14.15.24.32.35.42.54

佐藤トシエ選
特 選:46:桜島隠れる程に懸大根
鑑 賞:干し竿にかかっている大根の様が「隠れる程に」で桜島大根やその光景がイメージできますね。生や煮物が美味と聞いた事があるが、懸大根は切り干しや粕漬けになるのかな。島は昔ながらの四季の風物誌が減少しつつで寂しいものがあります。
並 選:4、14.15、20、22、32、38、45、50
                 
山口 沙智選
特 選:37:風邪に臥す子に作りゐる生姜湯
鑑 賞:子供の体調は本当に心配しました。自分の具合の悪いことは薬を飲んだりある程度我慢できますが、子供の体調が悪いと私が交代してやりたい思いになりました。しょうがは身体を温める作用があるので、お子さんの風邪に生姜湯を作ってあげるお母さんの優しさがよくわかり特選に選びました。
並 選:14/15/18/19/28/40/41/47/53

梶 鴻風選
12:熊の去る跡を消しつつ山眠る:佐藤トシエ:特選
>今年の利尻島は105年ぶりの熊で賑わった。島の対岸、手塩から海に入り泳ぎ着いたのだ。その熊がいつの間か消え去った。安心して利尻山も寝に着いた。 
14:病める子のかすかな寝息山眠る:谷口千枝:
>親にとって病める子ほど愛しいものは無い。静かな寝息で子を見て安堵して居るのだ。
27:冬凪や大橋くぐるロシア船;太田紀子:
>明石大橋か瀬戸大橋か今しもロシア船が潜る。入港か出港かさまざまな重いが浮かぶ。
30:冬うらら子供に返るイルカショー:池窪弘務:
>何処で見ているイルカショーだろう。見ている内に楽しくなり子供心に帰るのだ。
33:震災を引きずる更地石蕗の花:片山明俊:
>1995年1月17日阪神淡路大震災があった。それから23年。だが今でも引きずっている。
36:初雪の融け収集す花の種:佐川富子:
>来年の花種を採る前に雪が来や。日が当たり初雪が消えたとき種を採る作者が見える。
37:風邪に臥す子に作りゐる生姜湯:村岡雅:
>此処にも母親の愛情がある。寝込んでいる子に生姜湯を作るのだ。きっと良くなる。
45:おでん鍋好み譲れぬ夫婦箸:岩渕純子:
>おでんのネタも関東と関西では違う。夫婦であってもネタの好みは譲れないのだ。
46:桜島隠れる程に懸大根:石破利久:特選
>なんともスケールの大きな俳句である。まるで腕のすごいマジシャンがあっという間に鹿児島の桜島を隠してしまった。桜島大根が掛けられた風景は雄大だろう。
48:一年の速さが挨拶小六月:持田清月:
>「12月に入りましたね」で交わす挨拶。町内の清掃、交通安全指導、超多忙な作者。
49:取り出した遺品のショールに母の名が:山口沙智
>夏物と冬物の入れ替えで取り出す遺品のショール。それに母の名があり母を想うのだ。
52:開通の高き橋桁冬の空:若西花菜:
>開通とは札幌から小樽を通り余市まで行く高速と想われる。鴻も一度は行ってみたい。
53:流鏑馬や神となりたる美少年(秋祭りの神事):斜木美秋:
>流鏑馬は5月5日の神事である。それで句を差し替えたいといったがこの原作が佳い。
1:あたたかき鉛筆の文字山眠る:梶鴻風:
>鴻は鉛筆が好きだ。それも太い芯の鉛筆を愛用している。温かみがあってよい。

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