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  18年九月 句写美教室俳句会選句結果
Date: 2018-09-08 (Sat)
 18年 鴻風俳句教室九月句会
1:秋暑し原色眩しき中華街:片山 明俊:紀子▷1
2:残暑とは云へぬ記録の気温かな:石破 利久:○明俊・トシエ・沙智・花菜▷5
3:遮断機の竿の先まで残暑かな:岩渕 純子:○利久○花菜○雅・富子・鴻風▷8
4:岬鼻馬の匂ひの残暑かな(都井岬):林 江梅:千枝・鴻風▷2
5:残暑なほビル影伝ひ会場へ:持田 清月:▷0
6:誰も居ぬ家の居座る残暑かな:太田 紀子:美秋▷1
7:コスプレの若者闊歩の街残暑:若西 花菜:千枝・富子▷2
8:就活の心の萎える残暑かな:谷口 千枝:明俊・清月・トシエ・鴻風▷4
9:ジャージャー麺辛さ味はふ残暑かな:佐川 富子:清月・純子▷2
10:つば広の帽子を被り残暑かな:村岡 雅:明俊▷1
11:残暑日と滝の飛沫を浴びに行く:斜木 美秋:沙智▷1
12:残暑見舞ひ「先に死ぬな」と叔母の文:山口 沙智:美秋・清月・千枝・花菜・純子・雅▷6
13:屋根を塗る残暑に足場組まれけり:梶 鴻風:紀子▷1

14:生年を西暦で書く秋の夜:石破 利久:▷0
15:さわやかや女子高生の金メダル:岩渕 純子:清月・トシエ・富子・雅▷4
16:いかほどを生きるか我は残暑耐へ:林 江梅:沙智・花菜▷2
17:噺家と生の握手や虫の声:持田 清月:トシエ・鴻風▷2
18:蜻蛉生れ緑眼朝日に煌めけり:太田 紀子:美秋▷1
19:百年を生ききる覚悟敬老日:若西 花菜:○千枝・明俊・利久・清月・純子・鴻風▷7
20:生と死は隣り合はせや青蜜柑:谷口 千枝:利久・雅▷2
21:新涼や小学生の笛の音:佐川 富子:○紀子▷2
22:柳川の白秋生家青蜜柑:村岡 雅:利久・富子▷2
23:人生の黄昏楽しく秋の旅:斜木 美秋:○富子・沙智▷3
24:生ハムの塩味ビールに丁度合ふ:山口 沙智:雅▷1
25:鬼やんま下品下生のこの世翔け:梶  鴻風:▷0
26:打ち水に生き返へる庭我もまた:片山 明俊:利久・美秋・トシエ▷3
53:磯釣りの親子の影濃し残暑かな:佐藤トシエ;○美秋○鴻風・紀子・沙智・花菜・純子▷8
54:秋の海写生の子等に汽笛過ぐ:佐藤トシエ:明俊・紀子・千枝・純子▷4
1~26+53/54で,5句選





27:おもちゃ箱ひっくり返したような夏:岩渕 純子:▷0
28:お伽の国子等の弾けし夏果てぬ:林 江梅:清月・富子・雅・純子▷4
29:不知火や夢は現に待ち時間:持田 清月:▷0
30:ミッキーの笑顔いっぱい秋の空:太田 紀子:美秋・清月・沙智・富子▷4
31:遊園地に孫の案内秋あかね:若西 花菜:▷0
32:ピノキオの冒険旅行天高し:谷口 千枝:純子・雅▷2
33:パレードの極彩色や秋日和:佐川 富子:紀子・美秋▷2
34:秋暑しディズニーランドは孫の夢:村岡 雅:明俊・沙智▷2
35:夏の旅デズニーランドショータイム:斜木 美秋▷0
36:ピノキオの鼻少し伸び秋に入る:山口 沙智:利久・美秋・トシエ・千枝・雅▷5
37:ピノキオの鼻炎天に伸び出せり:梶 鴻風:紀子・花菜▷2
38:ミツキーに手を振る子等や青葉風:片山 明俊:利久▷1
39:絵日記にデイズニーパレード夏休み:石破 利久:○純子・明俊・鴻風▷4

40:廃屋の庭の一位や秋の風:林 江梅:利久・紀子・トシエ・雅▷4計12
41:吾亦紅和妻使ひの若演者:持田 清月:▷0計2
42:デジカメを買ひ花野の中を駆け巡る:太田 紀子:鴻風▷1計7
43:秋さんま皿に一匹鎮座せ:若西 花菜:▷0定9
44:どの月も悲喜こもごもよ月見酒:谷口 千枝:美秋▷1計9
45:いつせいに合奏をする秋桜:佐川 富子:沙智・鴻風▷2計8
46:消息の途絶えし友や赤まんま:村岡 雅:紀子・清月・千枝・花菜・純子・鴻風▷6計11
47:女郎花良く揺れ蝶も止まりかね:斜木 美秋:明俊・鴻風▷2計6
48:食べ放題1100円の桃たわわ:山口 沙智:○トシエ・千枝▷3計15
49:ちちははも義父母も佛盆灯籠:梶 鴻風:明俊・トシエ・千枝▷3計6
50:恙なき暮しや旨まし冷奴:片山 明俊:○沙智・利久・紀子・花菜・雅・純子・鴻風▷8計13
51:思はざる秋刀魚の豊漁沸く港:石破 利久:明俊・美秋・トシエ・沙智・千枝・富子▷6計15
52:鰯雲乗れば行き着くポルトガル:岩渕 純子:○清月・利久・富子・花菜▷5計17
55:ミッキーと花野でワルツ空の青:佐藤トシエ:花菜▷1
56:秋風に寄り添ふ鴎ラブソング:佐藤トシエ:・清月・富子▷2
  27~52+55/56から5句選
  





18年 鴻風俳句教室九月句会
片山 明俊選
特 選:2:残暑とは云へぬ記録の気温かな
鑑 賞:徳島を経て神戸に上陸し北海道へと駆け抜けた台風21号のあと少しは涼しくなりましたが今年は残暑とは云えぬ真夏並みの猛暑続き・・・気象庁の発表では今夏は統計上東日本が一位、西日本では二位タイの高温となっていました。この句は生活実感と季節感を効果的に折込み句にしておられます。
並 選:8・10・19・54・34・39・47・49・51
      
石破 利久選
特 選:3:遮断機の竿の先まで残暑かな
鑑 賞:遮断機・・この暑いのに電車が来るたびに竿・・腕木を上げ下げするのは仕事とは云えご苦労なことです。遮断機と残暑を結びつけた発想に敬服し選びました。
並 選:19・20・22・26・36・38・40・50・52

太田 紀子選
特選:21:新涼や小学生の笛の音
特選理由:小学校で立て増えを習います。習った曲を諸学生が吹いているのでしょう。あるいは連裕しているの窯しれません。夏休みも終わり、懸命な小学生の姿が明浮かびます。
並選:1.13.53.54.33.37.40.46.50

岩渕 純子選:
特撰:39:絵日記にディズニーパレード夏休み
鑑賞:猛暑の夏休みがやっとおわりました。絵日記の40日をうめるのは子も親もたいへんです。ディズニーランドにあそんだ一日はきっと楽しく、いつまでも夏休みの思い出としてのこることでしょう。
並選:9,12,19,27,32,39,46,50,53,54 

斜木 美秋選
特選:53:磯釣りの親子の影濃く残暑かな
鑑賞: 親子仲良く釣るする微笑ましい絵が見えます。何歳になろうとも親子仲良く釣りしたいものである。これ程楽しい遊びは僕には見たらない。
並選:6.12.18.26,30,33.36,44.51

持田 清月選
特選:52:鰯雲乗れば行き着くポルトガル
鑑賞:鰯雲に乗ると言う発想に新鮮さを感じました。鰯雲は乗ると言うよりも眺めるものと思っていました。さらに乗ったらポルトガルに着くと言う発想。素晴らしいと感じます。なぜポルトガルなのか?理屈ではなく納得してしまう部分があります。
並選:8:9:12:15:19:28:30:46:56

佐藤トシエ選
特 選:48:食べ放題1100円の桃たわわ
鑑 賞:富士登山の帰りの電車の中で、4個入りの山梨の桃が売りだされ、友と買い求めた。捥ぎたての桃、持ち帰るつもりもなく、恥ずかしげもなく、列車の中ですぐに食べ始め、「うまい」と二人で頷いていた。その時の桃の値は1200円。美味しい物には目も心も奪われます。一度は食べ放題にも挑戦したいと・・秋の果物のたわわな成りを思いつつ、景も味も匂いも感じられました。
並 選:2・8・15・17・26・36・40・49・51

山口 沙智選
特選:50:恙なき暮しや旨まし冷奴:片山 明俊:
鑑賞:異常気象の暑い夏を過ごし秋に入ってやっとほっとしています。今年の夏は食卓に冷奴がよく登場しました。青紫蘇、生姜、鰹節、葱などを薬味にいつ食べても冷奴は咽喉越しもよくおいしいと思い、掲句に一票をいれました。
並選:2・11・16・23・53・30・34・45・51

谷口 千枝選
特 選:19:百年を生きる覚悟敬老日
鑑 賞:「百年を生きる覚悟」をなさった作者は素晴らしい。作者は何歳でしょうか?後期高齢者になった私は取り敢えず後5年は頑張りたいと思っています。サロンの仲間12人の中で90歳以上は3人です。
並 選:4・7・12・54・36・46・48・49・51

若西 花菜選
特選:3:遮断機の竿の先まで残暑かな
理由:今年はとんでもない暑さの夏でした。北海道はあっという間に秋風ですが本州の気温を聞くたびに大変だなと思うばかりでした。この異常気象今年だけで終わることを願いつつ、この句に、すべてのものが燃え立つような残暑の雰囲気を感じました。
並選:2・12・16・53・37・46・50・52・55

佐川 富子選
特選:23:人生の黄昏楽しく秋の旅
鑑賞:こんな風に自分の生き方を積極的に持っていけるなんて素敵だなと思いました。これからも、いっぱいいろんな旅を楽しんで行けますことを。
並選:3.7.15.22.28.30.51.52.56

村岡 雅選
特 選:3:遮断機の竿の先まで残暑かな
鑑 賞:「遮断機の竿の先まで」という感覚に心を動かされ、特選句とさせていただきました。
並 選:12/15/20/24/28/32/36/40/50

江梅さん入院のため選句できず。
雅さん地震のため体調を壊し電話で選句をいただきました。

梶 鴻風選
3:遮断機の竿の先まで残暑かな:岩渕 純子:○利久○花菜・富子・鴻風
4:岬鼻馬の匂ひの残暑かな(都井岬):林 江梅:・千枝・○鴻風
8:就活の心の萎える残暑かな:谷口 千枝:明俊・清月・トシエ・鴻風
17:噺家と生の握手や虫の声:持田 清月:・トシエ・鴻風
19:百年を生ききる覚悟敬老日:若西 花菜:○千枝・明俊・利久・清月・鴻風
25:鬼やんま下品下生のこの世翔け:梶  鴻風:
39:絵日記にデイズニーパレード夏休み:石破 利久:明俊・鴻風
>写真の中に創意を求めるのが一般的。それを絵日記に持って行ったのはさすがである。
42:デジカメを買ひ花野の中を駆け巡る:太田 紀子:・鴻風
45:いつせいに合奏をする秋桜:佐川 富子:・沙智・鴻風
46:消息の途絶えし友や赤まんま:村岡 雅:・紀子・清月・千枝・花菜・鴻風
47:女郎花良く揺れ蝶も止まりかね:斜木 美秋:明俊・鴻風
50:恙なき暮しや旨まし冷奴:片山 明俊:○沙智・利久・紀子・花菜・鴻風
>「つつがなき」とは本来の意味は「息災」だ。冷や奴を食べ残暑を息災なく乗り越えたい。
53:磯釣りの親子の影濃し残暑かな:佐藤トシエ;○美秋・紀子 ・沙智・花菜○鴻風


総合成績:
一 席:岩淵 純子:17点
二 席:石破 利久:15点 
二 席:山口 沙智:15点
二 席:佐藤トシエ:15点
三 席:片山 明俊:13点

作品成績
一 席:3:遮断機の竿の先まで残暑かな:岩渕 純子:8点(特3並2)
一 席:53:磯釣りの親子の影濃し残暑かな:佐藤トシエ;8点(特2並4)
一 席:50:恙なき暮しや旨まし冷奴:片山 明俊:8点(特1並6)
二 席:19:百年を生ききる覚悟敬老日:若西 花菜:7点(特1並5)

梶 鴻風選
3:遮断機の竿の先まで残暑かな:岩渕 純子:
>「残暑」を「遮断機の竿の先まで」と捉えた感覚は素晴らしい。東京の私鉄の感覚だ。
4:岬鼻馬の匂ひの残暑かな(都井岬):林 江梅:○鴻風
>半島の先端を岬というか鼻と呼ぶかは古い歴史がある。都井岬は「岬」。長崎鼻は「鼻」であるが一般的に、半島の先端の最先端を「岬鼻」と呼ぶ。岬の先端まで馬の匂いなのだ。
8:就活の心の萎える残暑かな:谷口 千枝:
>この句の上五「終活」は「終活」ではと思われた。お嬢さんの事なのだと思った。
17:噺家と生の握手や虫の声:持田 清月:
>41の「若演者」がわからなかった。それから見たら噺家と握手を出来た喜びが素直です。
19:百年を生ききる覚悟敬老日:若西 花菜:
>人間は120年は生きられるとなにかの本で読んだ事がある。それも覚悟が必要なのだ。
25:鬼やんま下品下生のこの世翔け:梶  鴻風:
>極楽世界に往生するものは上中下に三区分されさらに三区分されるという。
39:絵日記にデイズニーパレード夏休み:石破 利久:
>写真の中に創意を求めるのが一般的。それを絵日記に持って行ったのはさすがである。
42:デジカメを買ひ花野の中を駆け巡る:太田 紀子:
>この句も特選にしたいとも思った。カメラを買った人の喜びが十全に出ている句である。
45:いつせいに合奏をする秋桜:佐川 富子:
>コスモスの風に揺れる様子を合奏と捉えたのは感覚がよい。合奏よりは合唱かも。
46:消息の途絶えし友や赤まんま:村岡 雅:
>何時の間にか音信の途絶えた友人はいる。気になるが自分から連絡をとろうとはしない。
47:女郎花良く揺れ蝶も止まりかね:斜木 美秋:
>北海道での盆花。盆のお花に使うために植えている。風に揺れる花には蝶も止まれない。
50:恙なき暮しや旨まし冷奴:片山 明俊:
>「つつがなき」とは本来の意味は「息災」だ。冷や奴を食べ残暑を息災なく乗り越えたい。
53:磯釣りの親子の影濃し残暑かな:佐藤トシエ;○鴻風
>島の岸壁で釣りをする親子の影。朝の太陽に照らされ影が濃く伸び出している。良い光景である。鴻にも男の子が二人いるが、子供と釣りに出かけた思い出はない。登山はしたが。

総合成績:
一 席:岩淵 純子:17点
二 席:石破 利久:15点 
二 席:山口 沙智:15点
二 席:佐藤トシエ:15点
三 席:片山 明俊:13点

作品成績
一 席:3:遮断機の竿の先まで残暑かな:岩渕 純子:8点(特3並2)
一 席:53:磯釣りの親子の影濃し残暑かな:佐藤トシエ;8点(特2並4)
一 席:50:恙なき暮しや旨まし冷奴:片山 明俊:8点(特1並6)
二 席:19:百年を生ききる覚悟敬老日:若西 花菜:7点(特1並5)

梶 鴻風選
3:遮断機の竿の先まで残暑かな:岩渕 純子:
>「残暑」を「遮断機の竿の先まで」と捉えた感覚は素晴らしい。東京の私鉄の感覚だ。
4:岬鼻馬の匂ひの残暑かな(都井岬):林 江梅:○鴻風
>半島の先端を岬というか鼻と呼ぶかは古い歴史がある。都井岬は「岬」。長崎鼻は「鼻」であるが一般的に、半島の先端の最先端を「岬鼻」と呼ぶ。岬の先端まで馬の匂いなのだ。
8:就活の心の萎える残暑かな:谷口 千枝:
>この句の上五「終活」は「終活」ではと思われた。お嬢さんの事なのだと思った。
17:噺家と生の握手や虫の声:持田 清月:
>41の「若演者」がわからなかった。それから見たら噺家と握手を出来た喜びが素直です。
19:百年を生ききる覚悟敬老日:若西 花菜:
>人間は120年は生きられるとなにかの本で読んだ事がある。それも覚悟が必要なのだ。
25:鬼やんま下品下生のこの世翔け:梶  鴻風:
>極楽世界に往生するものは上中下に三区分されさらに三区分されるという。
39:絵日記にデイズニーパレード夏休み:石破 利久:
>写真の中に創意を求めるのが一般的。それを絵日記に持って行ったのはさすがである。
42:デジカメを買ひ花野の中を駆け巡る:太田 紀子:
>この句も特選にしたいとも思った。カメラを買った人の喜びが十全に出ている句である。
45:いつせいに合奏をする秋桜:佐川 富子:
>コスモスの風に揺れる様子を合奏と捉えたのは感覚がよい。合奏よりは合唱かも。
46:消息の途絶えし友や赤まんま:村岡 雅:
>何時の間にか音信の途絶えた友人はいる。気になるが自分から連絡をとろうとはしない。
47:女郎花良く揺れ蝶も止まりかね:斜木 美秋:
>北海道での盆花。盆のお花に使うために植えている。風に揺れる花には蝶も止まれない。
50:恙なき暮しや旨まし冷奴:片山 明俊:
>「つつがなき」とは本来の意味は「息災」だ。冷や奴を食べ残暑を息災なく乗り越えたい。
53:磯釣りの親子の影濃し残暑かな:佐藤トシエ;○鴻風
>島の岸壁で釣りをする親子の影。朝の太陽に照らされ影が濃く伸び出している。良い光景である。鴻にも男の子が二人いるが、子供と釣りに出かけた思い出はない。登山はしたが。

総合成績:
一 席:岩淵 純子:17点
二 席:石破 利久:15点 
二 席:山口 沙智:15点
二 席:佐藤トシエ:15点
三 席:片山 明俊:13点

作品成績
一 席:3:遮断機の竿の先まで残暑かな:岩渕 純子:8点(特3並2)
一 席:53:磯釣りの親子の影濃し残暑かな:佐藤トシエ;8点(特2並4)
一 席:50:恙なき暮しや旨まし冷奴:片山 明俊:8点(特1並6)
二 席:19:百年を生ききる覚悟敬老日:若西 花菜:7点(特1並5)

梶 鴻風選
3:遮断機の竿の先まで残暑かな:岩渕 純子:
>「残暑」を「遮断機の竿の先まで」と捉えた感覚は素晴らしい。東京の私鉄の感覚だ。
4:岬鼻馬の匂ひの残暑かな(都井岬):林 江梅:○鴻風
>半島の先端を岬というか鼻と呼ぶかは古い歴史がある。都井岬は「岬」。長崎鼻は「鼻」であるが一般的に、半島の先端の最先端を「岬鼻」と呼ぶ。岬の先端まで馬の匂いなのだ。
8:就活の心の萎える残暑かな:谷口 千枝:
>この句の上五「終活」は「終活」ではと思われた。お嬢さんの事なのだと思った。
17:噺家と生の握手や虫の声:持田 清月:
>41の「若演者」がわからなかった。それから見たら噺家と握手を出来た喜びが素直です。
19:百年を生ききる覚悟敬老日:若西 花菜:
>人間は120年は生きられるとなにかの本で読んだ事がある。それも覚悟が必要なのだ。
25:鬼やんま下品下生のこの世翔け:梶  鴻風:
>極楽世界に往生するものは上中下に三区分されさらに三区分されるという。
39:絵日記にデイズニーパレード夏休み:石破 利久:
>写真の中に創意を求めるのが一般的。それを絵日記に持って行ったのはさすがである。
42:デジカメを買ひ花野の中を駆け巡る:太田 紀子:
>この句も特選にしたいとも思った。カメラを買った人の喜びが十全に出ている句である。
45:いつせいに合奏をする秋桜:佐川 富子:
>コスモスの風に揺れる様子を合奏と捉えたのは感覚がよい。合奏よりは合唱かも。
46:消息の途絶えし友や赤まんま:村岡 雅:
>何時の間にか音信の途絶えた友人はいる。気になるが自分から連絡をとろうとはしない。
47:女郎花良く揺れ蝶も止まりかね:斜木 美秋:
>北海道での盆花。盆のお花に使うために植えている。風に揺れる花には蝶も止まれない。
50:恙なき暮しや旨まし冷奴:片山 明俊:
>「つつがなき」とは本来の意味は「息災」だ。冷や奴を食べ残暑を息災なく乗り越えたい。
53:磯釣りの親子の影濃し残暑かな:佐藤トシエ;○鴻風
>島の岸壁で釣りをする親子の影。朝の太陽に照らされ影が濃く伸び出している。良い光景である。鴻にも男の子が二人いるが、子供と釣りに出かけた思い出はない。登山はしたが。




  18年 鴻風俳句教室八月句会成績
Date: 2018-08-06 (Mon)
 18年 鴻風俳句教室八月句会

1:老ひてなほ希ふことあり星祭:片山 明彦:○純○紀○花・貴陽・利久・富子・清月/10
2:七夕や右肩上がりの願ひ事:持田 清月:/0
3:短冊の幼い文字や星祭:岩淵 純子:・貴陽・花菜・千枝・明俊・利久・雅・清月/7
4:西陣や七夕竹の触れる露地:石破 利久:○鴻・江・純・紀・明・弘・雅・トシ/9
5:星祭午前零時の列車待つ:池窪 弘務:鴻風 ・富子/2
6:七夕に家族のことのみ妣願ひ:太田 紀子: ・トシエ/1
7:星祭り五弁の花を探す庭:佐川 富子:/0
8:白檀を薫く金の香炉や星祭:梶 鴻風:・貴陽・トシエ/2
9:遠き日の白馬の王子銀河濃し:谷口 千枝:/0
10:孫想ひ未来に託す星まつり:森 貴陽:・沙智・美秋/2
11:七夕や子らの未来へ宇宙船:佐藤トシエ:・美秋/1
12:二星光る仰ぎて祈る願ひ事:山口 沙智:・千枝/1  
13:星まつり縁側我が家の涼み台:村岡  雅:・江梅・沙智・清月・鴻風/4
14:七夕の君焦れつも吾老ひぬ:若西 花菜:○美秋・純子/3
15:仙台の七夕祭り夢で見る:斜木 美秋:/0
16:星まつり世界平和とのみ記(しる)す:林 江梅:○千枝○雅・弘務・鴻風・花菜/7

17:天界へ祈りを捧ぐ大花火:片山 明彦:・江梅・純子・利久・清月/4
18:熱帯夜天井の染み人顔に:持田 清月:・千枝・鴻風/2
19:リュウグウへ天の川越へはやぶさ2(TWO):岩淵 純子:・沙智/1
20:江戸前の鱚の天ぷら杉の箸:石破 利久:○明俊・貴陽・紀子・富子・弘務・美秋/7
21:昼の月ぽつかり空いた天の穴:池窪 弘務:・トシエ/1
22:指先より天道虫の空目指す:太田 紀子:・富子・弘務・雅/3
23:天井を見詰める一人夏の風邪:佐川 富子:・紀子・利久・美秋・清月/4
24:天金の蔵書を曝す窓全開:梶 鴻風:・江梅・明俊・トシエ/3
25:天上の夫のこゑ聴く忍草:谷口 千枝:・雅・花菜/2
26:炎天に球児ら助く者はなし:森 貴陽:/0
27:夕暮れに天使の梯子夏の海:佐藤トシエ:・富子/1
28:異常気象天気予報は暑い夏:山口 沙智:/0  
29:天漢を仰ぎて宇宙の旅の夢:村岡  雅:・江梅・純子・利久・沙智・花菜/5
30:みこし連掛け声高く炎天下:若西 花菜:・貴陽・紀子・千枝・明俊/4
31:炎天下高校球児集ひけり:斜木 美秋:・沙智/1
32:炎天や虚実に生きて八十路過ぐ:林 江梅:○弘務/2

33:奉安殿ありし校庭蝉しぐれ:片山 明彦:○江・千・利・弘務・雅・清月・鴻風/8
34:列島をゆつくり西へ夏台風:持田 清月:・千枝/1
35:赤蜻蛉何処で降りよう無人駅:岩淵 純子:・明俊・利久・富子・鴻風/4
36:行幸に選ばる利尻花野原:石破 利久:○トシエ・千枝・明俊・富子・沙智・清月/7
37:初蟬や豪雨の土地に思ひ馳せ:池窪 弘務:・江梅・雅/2
38:海の家母と子供とソーダ水:太田 紀子:/0
39:冷奴出番の来ないフライパン:佐川 富子:/0
40:業平の都忘れの花そよぐ:梶 鴻風:/0
41:家計図は尻りきれ蜻蛉つくつくし:谷口 千枝:・トシエ/1
42:恋海月波打ち際の断末魔:森 貴陽:/0
43:双子かな紅の浴衣に蝶結び:佐藤トシエ:・弘務・沙智/2
44:向日葵迷路熱射の中の迷い道:山口 沙智:・純子・鴻風/2  
45:ズッキニー次次採れて夏料理:村岡  雅:・純子・沙智・清月/3
46:二人居て黙して聞くや雷の音:若西 花菜:/0
47:艶やかさ競い咲きたる鹿の子百合:斜木 美秋:・江梅・貴陽・紀子/3
48:向日葵を活けて元気を貰ひけり:林 江梅:・貴・利久・富子・弘務・美秋/5

49:炎帝や女神潜める甲子園:片山 明彦:○利久・純子・貴陽・千枝・美秋/6/28
50:夏深し四十一度を超ゆ気温:持田 清月:/0/4
51:どの道も海へと続く島残暑:岩淵 純子:・紀・利・富・雅・清月・花菜/6/18
52:帆船の舫ふ港や揚花火:石破 利久:・江梅・紀子・千枝・美秋/4/27
53:蜻蛉釣一人二人と友増ゆる:池窪 弘務:/0/5
54:百日紅村には媼ばかりなり:太田 紀子:○貴陽○清○鴻・純・明俊・花菜/9/13
55:「出かける」とメモの重しに茄子置いて:佐川 富子:○沙・純・明・弘・トシ・花菜・鴻風/8/12
56:知床の白夜の隅に鳥眠る:梶 鴻風:・貴陽・紀子・明俊・弘務・トシエ・美秋/6/11
57:遠ざかる戦中戦後豆叩く:谷口 千枝:・紀子・雅・トシエ・鴻風/4/7
58:そうめんにもみじ葉を添え星三つ:森 貴陽:○富子・花菜・鴻風/4/6
59:カフェテラスにそよ風を呼ぶ夏料理:佐藤トシエ:・雅・鴻風/2/6
60:馬鈴薯の茎枯果てて掘り初め:山口 沙智:/0/3  
61:秋の色人に恵まれ米寿かな:村岡 雅:/0/12
62:サヨナラは野の風に捨て七月尽:若西 花菜:・鴻風/1/8
63:異常てふ酷暑続きに家籠り:斜木 美秋:・江梅・沙智・花菜・鴻風/4/8
64:病葉や加齢の恙と思へども:林 江梅:・美秋/1/15


>皆さんの選句と鑑賞文
林  江梅選
特 選:33:奉安殿ありし校庭蝉しぐれ
理 由:吾が町の尋常小学校(現在は合併し校庭に碑が建)の校庭にも奉安殿がありポプラの大樹が聳え、お転婆娘の私も前を通る時必ず最敬礼をしていたことなど、懐かしく脳裏に浮びました。
校庭の周りには桜もたくさんあり夏ともなれは蝉が競って鳴き楽しかった故郷が恋しくなりました。
並選 4・13・17・24・29・37・47・52・63

岩渕 純子選
特 選:1:老ひてなお希ふことあり星祭
理 由:七夕は小さい子供がいればどこの家庭でも願い事を色とりどりの短冊に
書いて竹に結ぶ。誰もが懐かしく思い出す行事である。年齢に応じて願い事はあるはずだが大人になると短冊には書かないで密かに心の中に留めておく。まして年をとってくるとさらに胸の奥に潜めてしまう。その年で?と言われたくないから。でも、誰にでも、「天国にいくまえにこれだけは。」と思う願いがひとつやふたつあるはずだ。わたしにだって。さあ、願うことは実現しましょう!
並選:4,14,17,29,44,45,49,54,55

森 貴陽選
特 撰:54:百日紅村には媼ばかりなり
鑑 賞:百日紅の咲く街や里で穏やかに暮らす女性たちが不安がありつつも穏やかに暮らしている様子に優しい気持ちになります。同じ様にわたしたちの美しい国のどこかの山や平野や海の里では今頃、あちこちで百日紅が赤く咲き誇っているのだろうなぁと思います。過疎化に何かよき方向のありますことを願うばかりです。
並 選:1.3.8.20.30.47.48.49.54.56

太田 紀子選
特選:1:老ひてなほ希ふことあり星祭
特選理由:いくつになっても、人は願いをもっているのですね。あきらめて穏やかになることはありません。私自身お心をよく表している句ですので、いただきました。
並選:4.20.23.30.47.51.52.56.57.



若西 花菜選
特 選:1:老いてなお願うことあり星祭
理 由:老いるのは何歳かな?各々の感じ方?自分はまだまだと思っていても他から見ると老い真っ最中かもしれない、など思いながらいつまでも願い事はあると頷き特選にいただきました。
並 選:3・16・25・29・51・54・55・58・63

谷口 千枝選
特選:16:星まつり世界平和とのみ記(しる)す
鑑賞:「星まつり」七夕には数々の思い出がある。「世界平和とのみ記す」私も同じ気持ちです。
並選:3・12・18・30・33・34・36・49・52

片山 明俊選
特 選:20:江戸前の鱚の天ぷら杉の箸
鑑 賞:兼題の「天」からの発想した《天ぷら》は妙・・・東京湾で釣り上げられた白鱚の天ぷらは上品
美味、添えられた杉の箸の香りもいいですね。言葉に無駄のない句です。
並 選:3/4/24/30/35/36/54/55/56

石破 利久選
特 選:49:炎帝や女神潜める甲子園
鑑 賞:夏の風物詩・・・甲子園での高校野球選手権大会を詠まれた句であろう。筋書きのない       ドラマは野球の魅力・・・・今年も炎帝を制し女神がどんな技を仕掛けて来るのかハラドキドキの熱戦が期待される句である。
並 選:1/3/17/23/29/33/35/48/51

佐川 富子選
特 選:58:そうめんにもみじ葉を添え星三つ
鑑 賞:いつものそうめんにもみじ葉を添えるだけで星三つに。暑い夏がそうめんのもみじ葉でとても涼し気になったことでしょう。白のそうめんに緑の葉っぱが見えるようでした。美味しそう。
並 選:1.5.20.22.27.35.36.48.51




池窪 弘務選
特 選:32:炎天や虚実に生きて八十路過ぐ
鑑 賞:兼題に素晴らしい句が揃った気がします。「七夕竹」も「鱚の天ぷら」も「天道虫」も素晴らしい。迷いに迷ったあげく、一番共感できる句を選びました。「虚実」が生
きることの実体。振り返ると、どれが虚で、どれが実であったか混沌としてきます。
しかし誰のものでもない自分の人生があった。季語の「炎天」と呼応して直に心に響
きました。
並 選:4・16・20・22・33・43・48・55・56

村岡 雅選
特 選:16: 星まつり世界平和とのみ記す
理 由:素敵な句は 沢山ありましたが、16番の句は私が今一番願っていることを       詠まれています。この句にあるように世界平和ということです。作者は「世界平和とのみ記す」と強く言い切っています。ほかには何もない。強い意志で星に天に世界中に世界平和をと願う姿が感じられて、感動しましたので、特選に頂きました。
並 選:3:4:22:25:33:37:51:57:59

佐藤トシエ選
特 選:36:行幸に選ばる利尻花野原
鑑 賞:4日は素晴らしい青空と秀峰利尻富士、穏やかな海原、花たちが一段と輝きを見せ、両陛下をお迎えすることができました。一度は東日本大震災で中止となった利尻への行幸啓。島民はもうご訪問はないものと思っていましたが、退位を前に最北端の利尻を選んで戴けたことに皆感動致しました。こうして利尻の事を綺麗な句に詠んでいただき、嬉しい一句で頂きました。
並 選:4・6・8・21・24・41・55・56・57

山口 沙智選
特 選:55:「出かける」とメモの重しに茄子置いて:
鑑 賞:少々茶目っ気のあるご主人が、取れたてピカピカの茄子を重しに置いてお出かけになったのですね。掲句を拝見してフッと笑ってしまいました。歳を重ねると会話が少なくなる夫婦ですが時々笑い合う行動が良いと思いました。素敵なご夫婦ですね。
並 選:10/13/19/29/31/36/43/45/63


斜木 美秋選
特 選:14:七夕の君焦れつも吾老ひぬ
鑑 賞:七夕に恋せし君へ恋い焦がれながら自分は老いてしまった。何ともロマンチックな人生味の在る一句。老いて尚持ち続ける情熱の伝わる一句と思います。
並 選:10.11.20.23.48.49.52.56.64

持田 清月選
特 選:54:百日紅村には媼ばかりなり
特選:高齢になっても女性の目は外に向き、男性の目はますます内に向いてしまいがちである。かつ平均寿命は女性の方が長く、積極性も女性の方があり、男は家に隠りがちである。そんな日本を読まれたように思いました。
並 選:1:3:13:17:23:33:36:45:51



梶 鴻風選 一行鑑賞
 鴻の選句は皆さんから出された4句の中なら、最もできていると思われる句をここに持ってきました。この中から特選を二句決めさせていただきます。

4:西陣や七夕竹の触れる露地:石破 利久:○鴻風
 京都には「西陣」と言う地名はない。「西陣小学校」など西陣が着くのは「西陣織」の発祥地だからか。女性俳友と「考古資料館」を中心に歩いたのも懐かしい。

5:星祭午前零時の列車待つ:池窪 弘務:
 斬新な感覚の句である。午前零時発の列車は松本零士の描いた「銀河鉄道999」であろうか。2221年が舞台であり、203年後には銀河に行けるだろうか。

13:星まつり縁側我が家の涼み台:村岡 雅:
 本州の家には縁側があるのが一般的で、雨戸を閉めながら今日も一日終わったと思ったものだ。北海道には縁側がないといったら、我が家にはあるんですと雅さん。

16:星まつり世界平和とのみ記(しる)す:林 江梅:
 「記(しる)す」のルビは付けない方が良かったですね。それはそれとして「世界平和」とだけ、七夕をまつる竹に吊るし祈る江梅さんの姿を尊く思います。


18:熱帯夜天井の染み人顔に:持田 清月:
 熱帯夜で眠りに入る事が出来ない。せんかたもないままに天井を眺めると節穴が目に見えたり、口に見えたりしてくる。あれは誰、あそこは誰と見るのも良いのでは。

33:奉安殿ありし校庭蝉しぐれ:片山 明彦:
 戦後、「奉安殿」は取り払われたが、奉安殿の歴史は古く明治時代から戦後まで続いた。中には、天皇陛下、皇后様のご真影や教育勅語が納められてあった。

35:赤蜻蛉何処で降りよう無人駅:岩淵 純子:
  口語的な発想の句。だがさわやかな感じを与えてくれる。先日も小渕沢が始発の小海線のことを教室で書かれていたが、無人駅が多い事だろうと思う。楽しい。

40:業平の都忘れの花そよぐ:梶 鴻風

44:向日葵迷路熱射の中の迷い道:山口 沙智:
 「迷い」は「迷ひ」だが、それはそれとして、北海道の雨竜町に150万本咲く巨大なひまわり畑がある、その中の迷路であろうか。熱射の中の迷路。焼けるようだ。

54:百日紅村には媼ばかりなり:太田 紀子:○鴻風
 50年前には20代30代の若い女性だったはずが、今では70代80代の媼ばかりとなってしまった。嘆いていてはいけない。50年前の自分に戻ればいいのだ。

55:「出かける」とメモの重しに茄子置いて:佐川 富子:
 この句を読んだとき富子さんが出かけるのか、ご主人が出かけるのか、そんな事を思いながら読んでいた。連句第三句めの、序句を思い楽しくさせてくれた。

57:遠ざかる戦中戦後豆叩く:谷口 千枝:
 戦中戦後の物の無い時代を千枝さんも体験なさっておられる。それでも叩く豆があると言う事は最高の幸せである。煮豆を作るにも砂糖などは無かった時代である。

58:そうめんにもみじ葉を添え星三つ:森 貴陽:
 「そうめん」は「索麺」と書き、旧かなでは「さうめん」。上五、中七は大変良いのだが、下五の「星三つ」は自画自賛なのだろうが、どうせなら「星五つ」では。


59:カフェテラスにそよ風を呼ぶ夏料理:佐藤トシエ
 洒落た句である。利尻にこんな洒落たお店があったかな、などと思っている。利尻だとしたら夏料理は「うに丼」か、それとも、𩸽のちゃんちゃん焼きだろうか。

62:サヨナラは野の風に捨て七月尽:若西 花菜:
 洒落た俳句である。「サヨナラは野の風に捨て」という上五、中七は実に若々しい。特選に推したい気持ちであった。七月に別れるのはこんな感覚なのだ。

63:異常てふ酷暑続きに家籠り:斜木 美秋:
 今年の天気も異常だが、年々暑くなり、数年後には夏の気温が40度を超すようになるという予報者もいる。鴻は中国の南京大橋で42度を体験した。


総合成績:
一 席:片山 明俊:28点
二 席:石破 利久:27点 
三 席:岩淵 純子:18点
次 席:太田 紀子:13点

作品成績
一 席:1:老ひてなほ希ふことあり星祭:片山 明彦:10点(特3並4)
二 席:4:西陣や七夕竹の触れる露地:石破 利久:9点(特1並7)
三 席:33:奉安殿ありし校庭蝉しぐれ:片山 明彦:8点(特1並6)
三 席:55:「出かける」とメモの重しに茄子置いて:佐川 富子:8点(特1並6)


  18年 鴻風俳句教室八月句会
Date: 2018-08-03 (Fri)
18年 鴻風俳句教室八月句会

1 老ひてなほ希ふことあり星祭
2 七夕や右肩上がりの願ひ事
3 短冊の幼い文字や星祭
4 西陣や七夕竹の触れる露地
5 星祭午前零時の列車待つ
6 七夕に家族のことのみ妣願ひ
7 星祭り五弁の花を探す庭
8 白檀を薫く金の香炉や星祭
9 遠き日の白馬の王子銀河濃し
10 孫想ひ未来に託す星まつり 
11 七夕や子らの未来へ宇宙船
12 二星光る仰ぎて祈る願ひ事
13 星まつり縁側我が家の涼み台
14 七夕の君焦れつも吾老ひぬ
15 仙台の七夕祭り夢で見る
16 星まつり世界平和とのみ記(しる)す
17 天界へ祈りを捧ぐ大花火
18 熱帯夜天井の染み人顔に
19 リュウグウへ天の川越へはやぶさ2(TWO)
20 江戸前の鱚の天ぷら杉の箸
21 昼の月ぽつかり空いた天の穴
22 指先より天道虫の空目指す
23 天井を見詰める一人夏の風邪
24 天金の蔵書を曝す窓全開
25 天上の夫のこゑ聴く忍草
26 炎天に球児ら助く者はなし
27 夕暮れに天使の梯子夏の海
28 異常気象天気予報は暑い夏
29 天漢を仰ぎて宇宙の旅の夢
30 みこし連掛け声高く炎天下
31 炎天下高校球児集ひけり
32 炎天や虚実に生きて八十路過ぐ
 
>1〜32まで「兼題」で、5句選。

33 奉安殿ありし校庭蝉しぐれ
34 列島をゆつくり西へ夏台風
35 赤蜻蛉何処で降りよう無人駅
36 行幸に選ばる利尻花野原
37 初蟬や豪雨の土地に思ひ馳せ
38 海の家母と子供とソーダ水
39 冷奴出番の来ないフライパン
40 業平の都忘れの花そよぐ
41 家計図は尻りきれ蜻蛉つくつくし
42 恋海月波打ち際の断末魔
43 双子かな紅の浴衣に蝶結び
44 向日葵迷路熱射の中の迷い道
45 ズッキニー次次採れて夏料理
46 二人居て黙して聞くや雷の音
47 艶やかさ競い咲きたる鹿の子百合
48 向日葵を活けて元気を貰いけり
49 炎帝や女神潜める甲子園
50 夏深し四十一度を超ゆ気温
51 どの道も海へと続く島残暑
52 帆船の舫ふ港や揚花火
53 蜻蛉釣一人二人と友増ゆる
54 百日紅村には媼ばかりなり
55 「出かける」とメモの重しに茄子置いて
56 知床の白夜の隅に鳥眠る
57 遠ざかる戦中戦後豆叩く
58 そうめんにもみじ葉を添え星三つ
59 カフェテラスにそよ風を呼ぶ夏料理
60 馬鈴薯の茎枯果てて掘り初め
61 秋の色人に恵まれ米寿かな
62 サヨナラは野の風に捨て七月尽
63 異常てふ酷暑続きに家籠り
64 病葉や加齢の恙と思へども
 
>33〜64まで「自由題」で、5句選。

 都合10句から、一句特選でお願いします。

書き方:例
 梶 鴻風選
特選句:1:老ひてなほ希ふことあり星祭
理 由:200〜300字程度で、
並選句:数字だけ。9つあるか点検してください。
 


  18 年七月 句写美教室句会成績
Date: 2018-07-08 (Sun)
18年七月 ・鴻風俳句教室俳句会・参加者16名・参加句数64句 
1:隠れなき野道に雷鳴轟けり:梶  鴻風:○江梅○紀子・明俊・利久・雅・豊水:8
2:落雷にゴルフクラブ投げ捨てる:小森 豊水:・美秋:1
3:身構へて待つ背に一打はたた神:片山 明俊:・富子・利久・トシエ・千枝:4
4:遠雷や子犬はやばやかくれんぼ:岩淵 純子:・富子・花菜・弘務・雅:4
5:ターミナル震ヘ上がらすはたた神:太田 紀子:・千枝・1
6:雷鳴にすくみ途切れし会話かな:石破 利久:○明俊・江梅・弘務・美秋・雅・紀子:7
7:遠雷や単身赴任の親父の手:谷口 千枝 :・明俊・利久・沙智・豊水:4
8:雷鳴と光の夜空のページェント:村岡 雅:・明俊・千枝:2
9:遠雷に怯えるやうに雀飛ぶ:池窪 弘務:・豊水:1
10:雷鳴のとぎれとぎれて遠ざかる:林  江梅:・花菜・弘務・純子・鴻風:4
11:遠雷に慌て取り込む梅の笊:若西 花菜:○弘務○沙智・江梅・美秋・紀子:7
12:雷の去りし夕餉のカレーかな:佐川 富子:○花菜・純子・トシエ・清月:5
13:遠雷や丸めし背なを叩く妻:持田 清月:○豊水・トシエ:3
14:凄まじき落雷の力立木裂き:山口 沙智:・江梅・鴻風:2
15:仏桑花海風揺るる道の駅:斜木 美秋:・純子・紀子・清月・鴻風:4
16:神鳴にへそを隠せと父の言ふ:佐藤トシエ:・花菜:1

17:山道に熊よけのベル鳴り響き:梶  鴻風:・美秋・明俊:2
18:何処より路肩に来て咲く赤詰草:小森 豊水:・弘務・千枝:2
19:須磨寺の参道よぎる蟻の列:片山 明俊:・富子・美秋・利久・雅・紀子・清月・鴻風:7
20:皇居への道行く馬車や梅雨明ける:岩淵 純子:○清月・富子・紀子・沙智・豊水・鴻風:7
21:風鈴や路地裏に住み三十年:太田 紀子:○富子・純子・利久・鴻風:5
22:夏柳道路元標日本橋:石破 利久:○トシエ・純子・明俊・清月・豊水:6
23:この道も未踏の小径道をしえ:谷口 千枝:・鴻風:1
24:高校のマラソン大会青田道:村岡 雅:・江梅・トシエ・清月・鴻風・千枝:5
25:道標なき人生や日日草:池窪 弘務:・純子・江梅・花菜・雅・トシエ・沙智:6
26:散歩道風が揺らすよ小判草:林 江梅:0
27:人力車走る坂道日の盛:若西 花菜:○鴻風・明俊・利久:4
28:紫陽花に誘はれ曲がる散歩道:佐川 富子:・花菜・弘務・美秋・雅・沙智:5
29:名古屋場所綱へ足場の電車道:持田 清月:・沙智:1
30:散策の道沿い楽し花水木:山口 沙智:・富子:1
31:黒南風に雷鳴轟き目覚めけり:斜木 美秋:0
32:遠く聴く駒鳥誘ふ回り道:佐藤トシエ:・紀子・千枝:2




33:僧一人青田の風に吹かれ行く:梶  鴻風:・花菜・美秋・雅・豊水:4
34:海の日や特攻自爆の夢を見る:小森 豊水:○鴻風・花菜・美秋:4
35:露国にて戦ふサツカー街白夜:片山 明俊:・純子・利久:2
36:ハイビスカス便りはメール十五文字:岩淵 純子:・トシエ・紀子;2
37:梅雨明けや旅に誘へる風立ちぬ:太田 紀子:・トシエ:1
38:蘇へる休耕田や花菖蒲:石破 利久:・江梅・明俊・花菜・弘務・美秋・雅・清月・豊水・鴻風:9
39:通販のバーゲンセール百日紅:谷口 千枝:0
40:真白な山法師並木続き行く:村岡  雅:・江梅・沙智・千枝:3
41:生きてゐる日日への感謝日日草:池窪 弘務:・富子・花菜・純子:3
42:蛍火や記憶の中の旅たどる:林 江梅:・純子・富子・弘務・利久・雅:5
43:薔薇の花自慢話となる土産:若西 花菜:・千枝:1
44:麦揺れる大地にワルツ踊るやう:佐川 富子:・明俊・豊水:2
45:夏至の夜万引き家族の映画館:持田 清月:・富子・沙智・豊水:3
46:応援団ビール片手に深夜まで:山口 沙智:・美秋・千枝:2
47:雨上がり橙赤鮮やか藪萱草:斜木 美秋:・明俊・千枝:2
48:アロハシャツ靡く銀輪島巡り:佐藤トシエ:・清月・鴻風:2

49:現世は夢幻の道よ亀鳴けり:梶  鴻風:0:計14
50:七月や空襲焼跡須磨に立つ:小森 豊水:・弘務・清月:2:計9
51:日盛りや姿勢崩れぬ仁王像:片山 明俊:・純子・富子・花菜・利久・トシエ・紀子:6:計19
52:はまなすや立待岬の波静か:岩淵 純子:○千枝・弘務・利久・沙智・清月:6:計19
53:水溜まりに蜻蛉の影あり仰ぎ見る:太田 紀子:・弘務・千枝:2:計9
54:旧道をゆくバス囲む青田風:石破 利久:・富子・明俊:2:計24
55:身の丈の暮らしが目処ぞ朝曇:谷口 千枝:・明俊・雅・トシエ・沙智・豊水:5:計10
56:夕張岳遙かに青田広がりぬ:村岡 雅:○利久・江梅・美秋・明俊・紀子:6:計16
57:鮎釣の仕掛けを作る父の指:池窪 弘務:○美秋・利久・沙智・清月・鴻風:6:計16
58:父母偲ぶ院に正座し新茶飲む:林  江梅:・トシエ・沙智:2:計11
59:緑陰に日がな一日老い二人:若西 花菜:・江梅・紀子:2:計14
60:こんな日もあるさと思ひ苺喰ふ:佐川 富子:・純子・トシエ・清月・鴻風:4:計16
61:もぎ取りてやや小振りなる胡瓜かな:持田 清月:・江梅・雅・鴻風:3:計10
62:汗かいてテレビ観戦大騒ぎ:山口 沙智:0:計5
63:夏の蝶揺れる小花に縋りをり:斜木 美秋:0:計6
64:転び寝に日と影遊ぶ夏障子:佐藤トシエ:○純子○雅・江梅・富子・弘務・花菜・紀子・豊水:10:計15





谷口 千枝
特選:52:はまなすや立待岬の波静か
感想:「はまなす」は北地に自生するバラ科の落葉低木。紅色五弁の花が咲き香りが良い花。実は紅熟しジャムなどにできる植物。はまなすに出会ったことがありません。鹿児島の山里に住んでいる私の憧れの花の一つ。立待岬も憧れの岬です。私情のあるお句と思います。
並選:3・5・8・18・23・32・40・43・46・47・53

岩渕純子選
特 選:64:転び寝に日と影遊ぶ夏障子
鑑 賞:夏の日盛りには畳の上にちょっとゴロリとなりたくなる。見るともなく障子を見上げると    外の陽射しに木々が風にゆれながら光と影を映している。日本の夏が描けている秀句である。
並 選:10,12,15,21,22,25,35,41,42,51,60

撰者 林 江梅
特 撰:1:隠れなき野道に雷鳴轟けり
鑑 賞:近くに駆け込む民家もない野道で激しい雷に合った作者の慌てる様子が伺え頂きました。
並 選:6・11・14・24・25・38・40・56・59・61・64

佐川 富子選
特 選:21:風鈴や路地裏に住み三十年
鑑 賞:どんな路地裏なんだろう、風鈴の音が聞こえるなんて。映画に出てくるような下町の人情が暖かい路地を想像しました。訪ねてみたいと思わせます。
並 選:3.4.19.20.30.41.42.45.51.54.64

若西 花菜選
特 選:12:雷の去りし夕餉のカレーかな
鑑 賞::緊張が途切れ安堵した気分の夕餉の食卓が、みんな大好きで支度も簡単なカレーだなんてすばらしい。定番のカレーが最もふさわしい献立で、いろいろな物語が生まれそうで特選に選びました。
並選:4・10・16・25・28・33・34・38・41・51・64

太田 紀子選
特 選:1:隠れなき野道に雷鳴轟けり
鑑 賞:野道を歩いていると、突然の雷鳴、逃げる場所もなく、夕立が来る前に、雨宿りができるところまで、作者は、駆け出していったことでしょう。その情景が、目に見えるようです。
並選:6.11.15.19.20.32.36.51.56.59.64

池窪 弘務 選
特 選:11番:遠雷に慌て取り込む梅の笊
鑑 賞:妻も毎年梅を漬けます。梅を干すときに気になるのが夕立です。 天候に気をつけているのですが夕立だけは予見できません。 家にいると空模様も分からず、ただ一つの予兆は遠雷です。ドタバタ階段を上がる妻の様子を思い出しました。
並 選:4・6・10・18・28・38・42・50・52・53・64
 
斜木 美秋選
特 選:57:鮎釣りの仕掛けを作る父の指
鑑 賞:一瞬亡き叔父の姿を思い出しました。暑い時間帯縁先で肌着一枚で作って居ました。行くと「おお来たか、仕掛けはこうして作るのだ、良く見てろよ」老眼鏡の上から見つめて教えて呉れました。ごつい指先を器用に動かす叔父姿と重なり感銘を受ける一句でした。
並 選:2.6.11.17.19.28.33.34.38.46・56.

片山 明俊選
特 選:6:雷鳴にすくみ途切れし会話かな
鑑 賞:突然の稲光に続く大きな雷鳴に驚いた様子が見え、どんな会話がなされていたのか少々          気になる句です。「かな」で句を止めたところに自然体を感じさせます。
並 選:1、8、17、22、27、38、44、47、54、55、56

石破 利久選
特 選:56:夕張岳遥かに青田広がりぬ
鑑 賞:北海道の米作りは品種改良と共に先人のなみなみならぬ努力の結果によるもの・・・夕張岳を遥かに広がる青田は雄大な景観であろう・・・清々しい句である。
並 選:1,3、7、19、21、27、35、42、51、52、57

村岡  雅選
特 選:64:転び寝に日と影遊ぶ夏障子
鑑 賞:寝転んでいると夏障子に日の影が当たりチラチラ動いているの楽しみながら見ている様子が見えてとてもいいなあと思い特選に頂きました。
並 選:1.4.6.19.25.28.33.38、42.55.61,

山口 沙智選
特 選:11:遠雷に慌て取り込む梅の笊:
鑑 賞:昔、母が元気で梅干しを作っていた頃、買い物に行くときは「裏に梅の笊を干してあるから、雨が降り出しそうだったら入れてね」と行って出かけました。雷の後は夕立と決まっていたので、遠雷の音が聞こえてきたら大慌てで笊を取り込んだものです。そんな事を思い出させる句でした。
並 選:7,20,25,28,29,40,45,52,55,57,58


佐藤トシエ選
特 選:22:夏柳道路元標日本橋
鑑 賞:道路元標と言う重々しい言葉にPCを開き、「日本国道路元標」を詳しく知ることができました。銘板もずっしりとした重みが。東京に出かけた折には、寄り道してみたい日本橋になりました。島の元標も調べてみようと・・興味をそして勉強をさせられた漢字の句でいただきました。
並 選:3・12・13・24・25・36・37・51・55・58・60
       
持田 清月選句
特 選:20:皇居への道行く馬車や梅雨明ける
特 選:宮内庁所有の馬車は3台位有るそうですが、国賓が天皇陛下にご挨拶に上がる時に、車か馬車を選べるそうですが、馬車を選ぶ方が多いそうです。その馬車と梅雨明けの季語がよく合っていると思います。
並 選:12:15:19:22:24:38:48:50:52:57:60

小森 豊水選
特 選:13番:遠雷や丸めし背なをたたく妻
鑑 賞:ご主人は病弱なのでしょう、気丈にたたいとられる奥様、素直にたたいてもらっているご主人、そのご夫婦の姿に涙ぐみそうになった。
並 選:1・7・9・20・22・33・38・44.45.55.64

梶 鴻風選一行鑑賞
1:隠れなき野道に雷鳴轟けり:梶  鴻風:鴻風
10:雷鳴のとぎれとぎれて遠ざかる:林 江梅:鴻風
>細かな神経の表現された作品。頭上で轟いていた雷が遠くに去ってゆくを「とぎれとぎれ」で捉えた。
14:凄まじき落雷の力立木裂き:山口 沙智:鴻風
>「地震・雷〜」と古人は捉えたが、立木を裂いたり、落雷で木を燃やしたりする。恐ろしい。
15:仏桑花海風揺るる道の駅:斜木 美秋:鴻風
>仏桑花とはハイビスカスの花である。海に近い道の駅では仏桑花の花が咲き誇っているのであろう。
19:須磨寺の参道よぎる蟻の列:片山 明俊:鴻風
>利久さん豊水さんに案内されて須磨寺を訪れた。あの参道を蟻の列が行く。大と小の対比の妙。
20:皇居への道行く馬車や梅雨明ける:岩淵 純子:鴻風
>大使が日本に来ると皇居に行く。その時皇居では自動車か馬車か聞くそうだ。馬車と答えるそうだ。
21:風鈴や路地裏に住み三十年:太田 紀子:鴻風
>紀子さんの自画像とも思えない。知人なのだろう。三十年住み慣れた路地裏。風鈴の音が聞こえる。
23:この道も未踏の小径道をしえ:谷口 千枝:鴻風
>千枝さんの作品は、近頃少し観念的な方に流れているような気がする。未踏な道の先にあるものは。
24:高校のマラソン大会青田道:村岡 雅:鴻風
>恵庭北高の生徒であろうか。青田道を駆け抜ける姿はさわやかそのものである。美しい句である。
27:人力車走る坂道日の盛:若西 花菜:鴻風特選
>作者花菜さんの住む小樽は山坂の街である。古くは札幌よりも栄えた事もある。日銀支店などもあった。観光客に頼らなければならなくなった小樽。日の盛りに人力車を引く青年が坂道を登って行く。
34:海の日や特攻自爆の夢を見る:小森 豊水:鴻風特選
>1995に制定された海の日は「海の恩恵に感謝し海洋日本の繁栄を願う」となっている。しかし、豊水さんには、自分が特攻兵となり魚雷を抱えて敵艦に体当たりするそんな夢を未だに見るのである。
38:蘇へる休耕田や花菖蒲:石破 利久:鴻風
>休耕田が見事に蘇り菖蒲の花が咲いている。なんて美しいのだろうと利久さんも思い句にされたのだ。
48:アロハシャツ靡く銀輪島巡り:佐藤トシエ:鴻風
>利尻島一周は約55キロある。そこをマラソンであったり、自転車であったりして一周するのだ。
57:鮎釣の仕掛けを作る父の指:池窪 弘務:鴻風
>仕掛け次第で釣れたり釣れなかったりする魚。お父さんに教わっての仕掛け作り。思い出の一句。
60:こんな日もあるさと思ひ苺喰ふ:佐川 富子:鴻風
>紀貫之が女性に仮託して「土佐日記」を書いた。男性に仮託して作った一句。なぜ仮託したのだろう。
61:もぎ取りてやや小振りなる胡瓜かな:持田 清月:鴻風
>規格品にあったもので無ければ市場に出荷できないのであろう。もぎ取ったがやや小ぶりの淋しさか。

総合成績:
一 席:石破 利久:24点 
二 席:片山 明俊:19点
二 席:岩淵 純子:19点
三 席:池窪 弘務:17点
三 席:佐川 富子:17点

作品成績
一 席:64:転び寝に日と影遊ぶ夏障子:佐藤トシエ:10点(特2並6)
二 席:38:蘇へる休耕田や花菖蒲:石破 利久:9点(並9)
三 席:01:隠れなき野道に雷鳴轟けり:梶 


  18年六月 句写美俳句会
Date: 2018-06-08 (Fri)
18年 鴻風俳句教室六月句会

1 更衣白が基調の港街:片山明俊:純子・利久・清月・トシエ:4
2 街中に羽化する乙女更衣:石破利久:○明俊○豊水・紀子・清月・千枝・鴻風:8
3 制服はベージュ車掌も更衣:太田紀子:花菜:1
4 Gパンの膝に穴あけ衣更:岩淵純子:富子・トシエ・美秋・豊水:4
5 更衣無冠の手足寂しけれ:梶鴻風:花菜・千枝・トシエ:3
6 更衣母の単衣の姿かな:村岡雅:0
7 十九時に始まる会合更衣:持田清月:富子:1
8 激痩せを思ひ知らさる更衣:小森豊水:○利久・明俊・美秋・雅:5        
9 旅に出る鞄も軽し更衣:佐藤トシエ:○富子・純子・紀子・明俊:5
10 更衣去年の服のきつくなり:佐川富子:・美秋:1
11 衣替へて脈を取らるる昼下がり:谷口千枝:0
12 淡き色揃えし喜寿の衣更え:若西花菜:純子・利久・清月・千枝・トシエ・豊水・雅:7
13 更衣薄紅色で若返り:斜木美秋:0

14 緑蔭に憩ふ茶店の古都の地図:片山明俊:・紀子・利久・雅:3
15 露地を入る町屋のカフエ京の初夏:石破利久:○雅・明俊・花菜・トシエ:5
16 地球儀をまわすメロンを食べながら:太田紀子:○千枝・純子・清月・花菜・美秋・鴻風:7
17 守一の蟻の観察地に這ひて:岩淵純子:0
18 園児来て地蔵にたんぽぽつむ遊び:梶 鴻風:清月・花菜:2
19 道庁の地下食堂も夏メニュー:村岡 雅:・利久・千枝・鴻風:3
20 給食の地産地消や茄子の花:持田清月:純子・富子・紀子:3
21 造成地運びし土に赤詰咲く:小森豊水:0        
22 デパ地下の初恋の香り苺買ふ:佐藤トシエ:・雅:1
23 地下鉄に関取乗りき五月場所:佐川富子:・紀子・美秋・豊水:3
24 ふるさとの地べたの記憶写真の日:谷口千枝:・富子:1
25 地を出でしエゾゼミここぞと大音声:若西花菜:0
26 西瓜売り地産地消と道の駅:斜木美秋:・明俊・豊水:2

総合成績:
一 席:小森 豊水:18点 
二 席:石破 利久:17点
三 席:若西 花菜:16点
三 席:片山 明俊:16点

27 学窓に思ひ出多し花の雲:片山明俊:純子・富子・紀子・利久:4
28 花人となりて母校へ会ふ恩師:石破利久:0
29 亡夫との花見の写真花は葉に:太田紀子:・千枝・豊水:2
30 故郷は人それぞれの桜かな:岩淵純子:・紀子・トシエ・美秋:3
31 櫻守り北の櫻の並木道:梶 鴻風:○トシエ・純子:3
32 満開の桜足止め写メの群れ:村岡 雅:0
33 携帯をカメラモードに桜の実:持田清月:・鴻風:1
34 天上への隧道と見ゆ桜道:小森豊水:純子・明俊・花菜・雅:4         
35 花の下手を取り憩ふ老夫婦:佐藤トシエ:紀子・清月・美秋・鴻風:4
36 思案せむ桜並木の尽きるまで:佐川富子:・豊水・雅・鴻風:3
37 亡き夫と歩きし小径花は葉に:谷口千枝:・富子:1
38 真夏日の休憩多き庭仕事:若西花菜:清月・千枝:2
39 休日や桜並木は人の波:斜木美秋:・鴻風:1

40 風薫る句碑を訪ねし須磨の関:片山明俊:・利久・花菜・美秋・豊水・鴻風:5計16
41 ザギトワの抱く仔犬や街白夜:石破利久:純子・富子・明俊・千枝:4計17
42 風涼し母の名のあるパジャマ着て:太田紀子:・富子・豊水:2計12
43 無人駅また無人駅夏燕:岩淵純子:○美秋・利久・花菜・豊水・紀子・鴻風:7計14
44 抱卵の千の鳴き声海烏:梶 鴻風:清月・千枝・トシエ:3計11
45 トンネルを抜け万緑のダム眩し:村岡 雅:明俊:1計4
46 紫陽花の園へ寄り道通り雨:持田清月:・雅:1計6
47 病窓の景色切り裂き燕飛ぶ:小森豊水:○純子○紀子○鴻風・花菜・千枝・雅:9計18       
48 チョコ運ぶ蟻のかけ声聞こえさう:佐藤トシエ:清月:1計11
49 竹の子飯母の味にはまだ遠き:佐川富子:・トシエ:1計8
50 燃え上がる霧島連山梅雨に入る:谷口千枝:○花菜・利久・明俊・トシエ・雅・鴻風:7計9
51 百の実を採らむと植えるトマト苗:若西花菜:○清月○鴻風・富子・利久・明俊:7計16
52 紫陽花の咲く池廻り一休み:斜木美秋:0計3

作品成績:                         
一 席:47 病窓の景色切り裂き燕飛ぶ:小森豊水:9点句:(特3並3)
二 席:2 街中に羽化する乙女更衣:石破利久:8点句:(特2並4)
三 席:7点句:12・51若西花菜:16太田紀子:43岩淵純子:50谷口千枝の4名5句




岩渕 純子選
特選:47:病窓の景色切り裂き燕飛ぶ
鑑賞:病院に入院中の作者。外の景色は窓からみえる僅かな空間。それでも作者は季節を感じようとしている。一瞬、何かが窓をよこぎった。病窓をさっと切り裂くような一瞬。燕だ。作者はその一瞬を見逃さずに夏を感じている。どうぞ一日も早く良くなられますように。
並選: 1.9.12.16.20.27.31.34.41.

佐川 富子選
特選:9:旅に出る鞄も軽し更衣
鑑賞:少し着る服が軽くなり荷物の着替えも軽くなりますね。旅に出るうきうきした気持ちが表れているなあと思いました。
並選:4.7.20.24.27.37.41.42.51

太田 紀子選
特選:47 病窓の景色切り裂き燕飛ぶ 
特選理由:入院中の窓から燕が勢いよく飛んでゆくのが見えました。療養中の作者にとって、この燕の飛び方に、元気をもらわれたように思えました。
並選:2.9.14.20.23.27.30.35.43

石破 利久選
特 選:8:激痩せを思ひ知らさる更衣
鑑 賞:闘病前の服に袖を通して見た作者の驚きがひしひしと伝わって来る句です。          一日も早く体力を取り戻されることを願っています。
並 選:1、12、14、19、27、40、43、50、51

片山 明俊選
特 選:2:街中に羽化する乙女更衣
鑑 賞:6月に入るやいなやミッション系の女子学生達は純白の制服に衣替えして楽しそうに登校しています。その姿を見ているとまるで羽化したばかりの小鳥達のようでこちら
の心まで弾みます。この句からそんな光景を思い出しました。
並 選:8、9、15、26、34、41、45、50、51

持田 清月選
特 選:51:百の実を採らむと植えるトマト苗
鑑 賞:いつの間にかこの句のような覚悟を忘れていました。露地で作る大玉トマトの場合8段収穫できたとして、各段4こ実が採れたとして32個収穫できることになります。実際には病気や虫食いや変形がありますので24個採れれば上出来となります。24個というのは、4キロ箱に直してM 玉で1箱になります。俳句に戻りますが、農業のやり立ての時は、この句のような気持ちを持って苗を植えていました。初心に返ろうと思いました。
並 選:1:2:12:16:18:36:38:44:48

若西 花菜選
特 選:50 燃え上がる霧島連山梅雨に入る
理 由:いくつもの火山帯のある日本ですから、近くの山がいつ噴火するか心肺です。しかし季節の移り変わりはよどみなく梅雨になったという大きなスケールをこの句に感じました。
並 選:3・5・15・16・18・34・40・43・47

谷口 千枝選
特 選:16:地球儀をまわすメロンを食べながら
感 想 :自分が幸せになれる句を選びました。「地球儀をまわす」どんな時でも幸せになれます。メロンは好きな果物の一つです。「メロンを食べながら」幸せなひとときを思い浮かべます。因みに私はメロンの糖度を気にします。糖度が高かったらそのまま食べ、低かったらサラダやジュースにして頂きます。
並 選:2・5・12・19・29・38・41・44・47

佐藤トシエ選
特 選:31:櫻守り北の櫻の並木道
鑑 賞:桜に男の一生の夢と命をそそいだ桜守がいることを知り、また「北の桜守」の映画も鑑賞、全ての記憶を失っても桜を守りぬく女性がいました。そうした桜守がいてこそ、毎年、桜が咲き誇るのでしょうね。「静内の二十間道路桜並木」の景が浮かびます。来年は厚田村の8,000本の桜並木を見てみたいと思っている。
並 選:1:4:5:12:15:30:44:49:50

斜木 美秋選
特 選:43:無人駅また無人駅夏燕
鑑 賞:日本列島の過疎化の進む様子の縮図の様に感じます。日本列島の縮図を詠まれた様なスケールの大きさが秘められて様に感じます。
並 選:4.8.10.16.23.30.35.40.


村岡 雅選
特 選:15 露地を入る町屋のカフエ京の初夏
鑑 賞:路地を入り町屋のカフェ、京の初夏。軽くさらっと詠んで居られますがその風景が心の中に浮かび、いいなぁ。そんなところでゆっくりとコーヒーをいただきたいと思いました。今は落ち着けるカフェが減っていますね。
並 選:8,12,14,22,34,36,46,47,50

小森 豊水選
特 選:2番:町中に羽化する乙女更衣
鑑 賞:出身高校へ同窓会で行ったとき女子生徒の白い服(シャツ)に圧倒された覚えがあります。まだ色気とかは仄かに、羽化する乙女が素晴らしい表現と想いました
並 選:4・12・23・26・29・36・40・42・43



梶  鴻風選 一行鑑賞
2 街中に羽化する乙女更衣:石破利久:
・実に詩情性の深い句となっている。乙女は中学生か女子高生か「更衣」に相応しい句です。
16 地球儀をまわすメロンを食べながら:太田紀子:
・子供の頃なら「お行儀が悪い。食べてからご覧なさい」としかられたであろう。楽しい。
19 道庁の地下食堂も夏メニュー:村岡雅:
・道庁の地下食堂などに入ったことはないが、「安くてうまい」が口コミで広がっている。
33 携帯をカメラモードに桜の実:持田清月:
・携帯もスマホもカメラの性能は一段と向上しきれいな写真を撮ることが出来るのだ
35 花の下手を取り憩ふ老夫婦:佐藤トシエ:
・表紙裏の写真を見ての一句だが観察している。老夫婦も車椅子も子供連れもいた。
36 思案せむ桜並木の尽きるまで:佐川富子:
・思案は何を思案だろうと読み手に楽しさを与えてくれる。鴻は俳句かなと想像したが
39 休日や桜並木は人の波:斜木美秋:
・写真を見て一句。土曜日で桜を愛でる人で老人から幼稚園児まで人、波であった。
40 風薫る句碑を訪ねし須磨の関:片山明俊:
・「須磨の関」というと、「淡路島〜幾代寝覚めぬ須磨の関守」の大きな歌碑をおもうのです。
43 無人駅また無人駅夏燕:岩淵純子:
・使われている単語は4語。贅肉を削ぐによいだけ削いだ俳句。スマートな佳吟である。
44 抱卵の千の鳴き声海烏:梶鴻風:
・歳時記では「海烏」を北海道では「ごめ」と呼ぶ。30年間過ごした利尻の初夏の光景。
47 病窓の景色切り裂き燕飛ぶ:小森豊水:○鴻風    
・肺がんの疑いで入院されていたという。鴻も肺癌で入院していたが、窓から見える景色がすべてである。その窓を今しも袈裟懸けをするように燕が飛び去った。春も過ぎゆく。
50 燃え上がる霧島連山梅雨に入る:谷口千枝:
・霧島連山には高千穂峰や韓国岳など、それらを含む連山が梅雨に入り煙っている景。
51 百の実を採らむと植えるトマト苗:若西花菜:○鴻風 
・鴻も、とまと、なすび、キュウリ、唐辛子、豆、じゃがいもを植えた。植えるときは、それこそ百の実のなることを願って植える。だが結果的には百が十にもならないのだが。






  18年六月句会
Date: 2018-06-05 (Tue)
1 更衣白が基調の港街
2 街中に羽化する乙女更衣
3 制服はベージュ車掌も更衣
4 Gパンの膝に穴あけ衣更
5 更衣無冠の手足寂しけれ
6 更衣母の単衣の姿かな
7 十九時に始まる会合更衣
8 激痩せを思ひ知らさる更衣        
9 旅に出る鞄も軽し更衣
10 更衣去年の服のきつくなり
11 衣替へて脈を取らるる昼下がり
12 淡き色揃えし喜寿の衣更え
13 更衣薄紅色で若返り

14 緑蔭に憩ふ茶店の古都の地図
15 露地を入る町屋のカフエ京の初夏
16 地球儀をまわすメロンを食べながら
17 守一の蟻の観察地に這ひて
18 園児来て地蔵にたんぽぽつむ遊び
19 道庁の地下食堂も夏メニュー
20 給食の地産地消や茄子の花
21 造成地運びし土に赤詰咲く        
22 デパ地下の初恋の香り苺買ふ
23 地下鉄に関取乗りき五月場所
24 ふるさとの地べたの記憶写真の日
25 地を出でしエゾゼミここぞと大音声
26 西瓜売り地産地消と道の駅

1〜26で5句選

27 学窓に思ひ出多し花の雲
28 花人となりて母校へ会ふ恩師
29 亡夫との花見の写真花は葉に
30 故郷は人それぞれの桜かな
31 櫻守り北の櫻の並木道
32 満開の桜足止め写メの群れ
33 携帯をカメラモードに桜の実
34 天上への隧道と見ゆ桜道         
35 花の下手を取り憩ふ老夫婦
36 思案せむ桜並木の尽きるまで
37 亡き夫と歩きし小径花は葉に
38 真夏日の休憩多き庭仕事
39 休日や桜並木は人の波

40 風薫る句碑を訪ねし須磨の関
41 ザギトワの抱く仔犬や街白夜
42 風涼し母の名のあるパジャマ着て
43 無人駅また無人駅夏燕
44 抱卵の千の鳴き声海烏
45 トンネルを抜け万緑のダム眩し
46 紫陽花の園へ寄り道通り雨
47 病窓の景色切り裂き燕飛ぶ        
48 チョコ運ぶ蟻のかけ声聞こえさう
49 竹の子飯母の味にはまだ遠き
50 燃え上がる霧島連山梅雨に入る
51 百の実を採らむと植えるトマト苗
52 紫陽花の咲く池廻り一休み

 27〜52で5句選

 合計10句の中から一句特選でお願いいたします。
 書き方は「句写美109号」を参照してください。
 締め切りは金曜日(8日)正午です。遅れませんようにご協力願います。

 今回は、お二人の方が体調不良で欠席です。
 みなさんも、梅雨、その後の暑さに入ります。
 どうぞ、水分をこまめにとり、熱中症にお気をつけください。鴻風 


  2018年五月句会
Date: 2018-05-05 (Sat)
2018年五月句会

1:薄暑なり苫小牧への四車線:山口 沙智:・千枝・1
2:薄暑光マウスポインターの矢の動き:梶  鴻風:・江梅・1
3:童心へ返る砂浜薄暑かな:片山 明俊:○鴻風・利久・沙智・美秋・紀子・6
4:バーガーを頬張るベンチ街薄暑:石破 利久:明俊・冨子・清月・千枝・鴻風・江梅・6
5:束の間の矢切の渡し薄暑かな:岩淵 純子:0
6:お出かけも装いに迷ふ薄暑かな:斜木 美秋:・花菜・1
7:近代の美術に触れて古都薄暑:林  江梅:○雅・明俊・沙智・清月・美秋・トシ・6
8:猫走るブロック塀や街薄暑:持田 清月:・千枝・1
9:丘の上に開拓の塔夕薄暑:村岡 雅子:・純子・紀子・鴻風・3
10:薄雲の途切れ途切れに薄暑光:佐藤トシエ:純子・冨子・2
11:夕薄暑鉢にシャワーの乱反射:佐川 冨子:・沙智・トシ・雅・3
12:母と子の祈りの像や薄暑光:谷口 千枝:純子・清月・花菜・鴻風・雅・5
13:夕薄暑ベリーショートの髪にする:太田 紀子:明俊・冨子・花菜・鴻風・4
14:萎れたる花に水やる薄暑かな:若西 花菜:・1

15:大海原眺めて蜜柑の花が咲く:山口 沙智:純子・美秋・2
16:海峡に沈む日輪海薄暑:梶  鴻風:○千枝・利・純・清・美・花・ト・紀・9
17:ポスターが海へと誘ふ夏来る:片山 明俊:利久・冨子・2
18:海胆(うに)を割く無口の女のへらさばき:石破 利久:明・沙・ト・江・紀・雅・6
19:春の海波のリズムで深呼吸:岩淵 純子:○冨子・2
20:春時雨大海原に日矢を射す:斜木 美秋:0
21:新緑の海辺に憩ふ喫茶店:林  江梅:・清月・1
22:夏めくや待ち受け画面海と椰子:持田 清月:○江梅○鴻風・4
23:海風や玫瑰の花地を這ひて:村岡 雅子:利久・純子・2
24:桜貝海から子等への贈り物:佐藤トシエ:・美秋・雅・2
25:海女さんのきりりと白の半ズボン(鳥羽にて):佐川 冨子:・沙智・花菜・2
26:比島へ向く兵士の像や夏の海:谷口 千枝:明俊・純子・江梅・紀子・4
27:強東風や沖見る海人の手に煙草:太田 紀子:○トシ・利久・3
28:海霧や崖の道まで隠しけり:若西 花菜:・千枝・1




29:真鯉緋鯉孫鯉泳ぐにぎやかさ:山口 沙智:○純子・花菜・2
30:耐乏の長き戦後や昭和の日:梶  鴻風:・江梅・雅・2
31:夏めきて個性あふれる街着かな:片山 明俊:利久・冨子・江梅・3
32:寒村に明るき知らせ鯉のぼり:石破 利久:○明俊○沙智○花菜・冨・紀・清・ト・10
33:傘雨の忌少し早いが冷奴:岩淵 純子:・トシ・千枝・2
34:藤の花揺れゐる空は青きけり:斜木 美秋:0
35:茅葺の堂の光陰初夏の風:林  江梅:利久・清月・トシ・千枝・雅・5
36:逃走犯確保のニュース四月尽:持田 清月:・明俊・冨子・沙智・千枝・4
37:水芭蕉の群落はるか沼光る:村岡 雅子:純子・美秋・江梅・3
38:純白を着飾るやうな花辛夷:佐藤トシエ:明俊・沙智・2
39:お花見の代はりばんこに車窓席:佐川 冨子:明俊・鴻風・2
40:自立てう余生の課題谷若葉:谷口 千枝:純子・花菜・トシ・3
41:黒揚羽谷を越え行くはすかいに:太田 紀子・0
42:クールビズ白シャツで行く朝の街:若西 花菜・0

43:吾と孫の誕生月の五月かな:山口 沙智:・鴻風・1・計6
44:繪幟の鍾馗はためく青田風:梶  鴻風:利久・花菜・2・計13
45:若葉風誘ふ遠出や万歩計:片山 明俊:○利久○美秋・冨・紀・沙・花・雅・9・計20
46:百号を越ゆる句誌あり風薫る:石破 利久:○紀子・利久・沙智・明俊・5・計26
47:山法師山の天気は変はるもの:岩淵 純子:・鴻風・1・計5
48:心地好し散歩の道の若葉風:斜木 美秋:・鴻風・1・計2
49:緑陰や洋灯似合ふ港町:林 江梅:利久・純子・清月・紀子・千枝・鴻風・雅・7・計16
50:夏に入る乳飲む猫の鉛筆画:持田 清月:・鴻風・1・計10
51:一服の新茶楽しむ独りかな:村岡 雅子:冨子・美秋・2・計10
52:卓袱台を囲み塩むすび昭和の日:佐藤トシエ:・江梅・鴻風・2・計7
53:初桜まずは函館五稜郭:佐川 冨子:純子・美秋・2・計8
54:亡き夫と春夏秋冬柿若葉:谷口 千枝:・清月・1・計12
55:親鹿を追ひし子鹿のギャロップす:太田 紀子:・千枝・江梅・2・計9
56:過去よりも未来の話みどりの日:若西 花菜:○清月・純・美・ト・鴻・雅・7・計9






石破 利久選
特 選:45:若葉風誘ふ遠出や万歩計
鑑 賞:緑滴る頃ともなれば心も弾みどこかへ遠出をしたくなるのが心情・・・今日は         何万歩歩いた、いや歩けたと万歩計の数字を楽しみ自己満足に浸るのも         良きこと・・・最近歩けなくなっているので悔しさを込めて選びました。
並 選:3、16、17、23、27、31、35、44、49  
        
片山 明俊選
特 選:32:寒村に明るき知らせ鯉のぼり
鑑 賞:端午の節句が近づき、ある一軒の農家に男児誕生を知らせる鯉のぼりが久し振りに掲げられた。これを見た村人達が共に喜んでいる様子が目浮ぶ明るく楽しい句          です。この頃都会では近所付き合いは希薄になり、鯉のぼりを見る事も少なくなり淋しい限りです。
並 選:4、7、13、18、26、36、38、39、46

岩渕 純子選
特 選:29:真鯉緋鯉孫鯉泳ぐ賑やかさ
鑑 賞:とにかく明るい、賑やか、元気がでます。少子化の昨今、あちこちでこんな風景がみられたらうれしいですね。うちの隣の三階建ての家の屋上に毎年こいのぼりがたてられます。 それがかならずうちの庭におちてきます。小さな孫鯉が遊びに来たよ、ととどけています。
並 選:10,12,15,16,23、37,40,53,56.

佐川 富子選
特 選:19:春の海波のリズムで深呼吸
鑑 賞:すべての生き物は海から生まれたという、この句を読んであらためてそう感じました。母の息づかいのような波のリズムに自然と呼吸が合っていくんでしょうね。
並 選:4.10.13.17.31.32.36.45.51

太田 紀子選
特 選:46:百号を超える句誌蟻風薫る
鑑 賞:句写美は百号を越えました。考えてみると、ずいぶん長く続いていると思います。ずいぶん次号が待ち遠しいです。今の状態5月の季節と響きあって、気持ちよいくだと思いました。
並 選:3/9/16/18/26/32/45/49
山口 沙智選
特 選:32:寒村に明るき知らせ鯉のぼろ
鑑 賞:高齢者人口の多い寒村に鯉幟が高々と上がった。「あっ、赤ちゃんが生まれたんだ。良かったね。」と村中で喜ぶ。赤ちゃんの誕生は血縁者でなくても嬉しく明るいニュースである。まもなく50歳になる長女が「二人の息子がほしがっていたんだから、20年前にもう一人女の子を産んでおけばよかった。」と、今頃になって後悔している。私ももう一人孫がほしかったとおもっています。
並 選:3,7,11,18,25,36,38,45,46

持田 清月選
特 選:56:過去よりも未来の話みどりの日
特 選:作者の前を向いて行こうとしている様子が気持ちよく感じられます。また季語のみどりの日ですが、制定された当初は昭和の日であったかと思います。祝日の名前も過去よりも未来に。
並 選:4/7/12/16/21/32/35/49/54

林  江梅選
特 選:22:夏めくや待ち受け画面海と椰子
鑑 賞:待ち受け画面に好きな季節の風景など入っていると、パソコンを開いく時心まで楽しくなりその風景をしばらく見つめてから、キーを一気に叩いています。    この句から南国の風景の記憶が鮮やかに蘇りました。
並 選:2・4・18・26・30・31・37・52・55

斜木 美秋選
特 選:45:若葉風誘ふ遠出や万歩計
鑑 賞:散歩に最適な季節、ついつい僕も心地好い風に吹かれて足が伸びます。帰り万歩計(実は携帯の歩行デターですが)お!1万超えたとびっくりします。
「や」切が効いて納得成るほどと思う一句です。
並 選:3,7,15,16、24,37,51,53,56.

若西 花菜選
特 選:32:寒村に明るき知らせ鯉のぼり
鑑 賞:我が家でも長男が生まれた時の5月鯉のぼりを上げたことを思い出しました。鯉のぼりを見て子供がいる家と分かり、それが過疎の村であればなお明るい出来事で、皆の喜びが目に見えるようです。
並 選:6・12・13・16・25・29・40・44・45

佐藤トシエ選
特 選:27:強東風や沖見る海人の手に煙草
鑑 賞:利尻も風の強い町。時にはテトラポットを超え波が道路に上がる事もある。そんな風と向き合い毎日海を眺めている漁師さん、煙草も吸いたくなる。映像が見え、島の漁師さんの後ろ姿が重なります。
並 選:7・11・16・18・32・33・35・40・56

谷口 千枝選
特  選:16番:海峡に沈む日論海薄暑
鑑  賞:憧れの景色です。山里に住んでいて海峡に沈む日輪を見たことがありません。晴れた日に海辺の宿に宿泊してこんな景色を見たいです。
並  選:1・4・8・28・33・35・36・49・55

村岡 雅選
特 選:7:近代の美術に触れて古都薄暑:
鑑 賞:私も絵が好きで、よく美術館に行ったり個展に行ったりします絵を見た後街に出て少し気持ちが昂ったり満たされているときの気持ちに触れたように感じました。
並 選:11.12.18.24.30.35.45.49.56.

総合成績
一席:石破 利久:26点
二席:片山 明俊:20点
三席:林  江梅:16点
次席:梶  鴻風:13点

作品成績:
一席:32:寒村に明るき知らせ鯉のぼり:石破 利久:(特3並4=10点)
二席:16:海峡に沈む日輪海薄暑:梶  鴻風:(特1並7=9点)
二席:45:若葉風誘ふ遠出や万歩計:片山 明俊:(特2並5=9点)
三席:49:緑陰や洋灯似合ふ港町:林 江梅:(並7=7点)
三席:56:過去よりも未来の話みどりの日:若西 花菜:(特1並5=7点)


梶  鴻風選
3:童心へ返る砂浜薄暑かな:片山 明俊:○鴻風
 鴻はこうした明るい作品に心引かれる。砂浜に行き裸足になると開放的になるからだろう。童心に返り、砂浜を駆け出したくなり、海水に足を浸したくなる。
4:バーガーを頬張るベンチ街薄暑:石破 利久:
 利久さんご自身の図であろうか。それとも若いカップルの図と見るか。若々しい。
9:丘の上に開拓の塔夕薄暑:村岡 雅:
 北海道「開拓の村」に有る「百年記念塔」であろう。結構な丘の上にある。
12:母と子の祈りの像や薄暑光:谷口 千枝
 母と子との祈りの像、何を祈るのだろう。鹿児島なら戦死者への祈りであろうか。
13:夕薄暑ベリーショートの髪にする:太田 紀子:
 紀子さんがベリーショートにしたんだと思った。きっと似合うだろうとも想った。
22:夏めくや待ち受け画面海と椰子:持田 清月:○鴻風
 やっぱり若々しく明るい作品に心引かれている。清月さんの携帯かパソコンの待ち受け画面が、南の海と椰子の木に変えた。鴻の年がら年中同じ画面とは違うのだ。
30:耐乏の長き戦後や昭和の日:梶  鴻風:
 「耐乏」と書くべきを「待望」と誤変換されて居た。気付いて訂正したが。お許しを。
39:お花見の代はりばんこに車窓席:佐川 冨子:
 窓の席は「かわりばんこ」に座るのは子供達だろう。俗語が生きている句である。
43:吾と孫の誕生月の五月かな:山口 沙智
 五月は沙智さんの誕生月。お孫さんも同じとは。何か良いことがありそう。
47:山法師山の天気は変はるもの:岩淵 純子
 山法師の花が咲く山。花を見に行ったのであろうか。山の天気は変わりやすい。
48:心地好し散歩の道の若葉風:斜木 美秋:
 美秋さんは健康の為に散歩をなさり、季節の花々を撮影しては見せてくださる。感謝。
49:緑陰や洋灯似合ふ港町:林  江梅:
 お洒落な俳句である。「洋燈」がよいか「ランプ」が良いかと思いながら読んでいた。
50:夏に入る乳飲む猫の鉛筆画:持田 清月:
 上五の季語には意見もあろうが、中七から座五に掛けての描写を素晴らしいと思った。
52:卓袱台を囲み塩むすび昭和の日:佐藤トシエ:
 季語の「昭和の日」を上五に据えたかった。そんな思いで読んでいました。
56:過去よりも未来の話みどりの日:若西 花菜:
 過去はすでに過ぎ去ったこと。取り戻すことは出来ない。未来を離しましょうよ。



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